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□夢と現実
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30年という眠りの中で私は沢山の夢を見る。

だから、これも夢なのだろうか?


光りが差込み眩しい。

両手をおもむろに延ばしてみるた。

喉が渇いた。
何か飲むものが欲しい。水なんかじゃない、濃いものが‥。

そう、血が欲しい。

すると誰かに抱き抱えられた。
唇に何かが触れる。
始めは遠慮がちに、だけれどだんだんと強引に何かが口内に侵入する。

私はされるがままに従った。

ぬるりとした生暖かいものが喉を鳴らす。



私は永い眠りから目を覚ました。



一番にハジが映った。

あの愛しい微笑みを浮かべて。

私は嬉しくてつい抱き締めてしまった。
ハジは私をそっと受け入れ、なされるがままだった。


その後ろに皆もあの頃のままで、ちっとも変わらない姿でいた。


ハジやルルゥはともかく、他の皆はそんなわけない。


私たちのように時を穏やかに生きる者とでは、違うのだ。


だから、夢だと判った。
決してありえないのだから。

だけど、夢でもいい。

皆が幸せで笑っているのなら。

私は皆に微笑みかけた。
皆はワラッタ。
あの頃のように。
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