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□ムカシノハナシ
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昔の話よ。
と言っても、何百年もの大昔のことでなく約60年程前の話になるけど。
その頃、私は16歳。
今の貴女よりは6歳だけお姉さんで、貴女と同じようにおてんばだったわ。
それを心配した両親が、そんなことが噂になって広がる前にさっさと結婚させようとお見合いをさせたのよ。
その時のお見合い相手がお爺さんなわけだけど、私はそのお見合いが嫌でたまらなくてお見合い直前に逃げたしたのよ。
普通はそれでお見合いは駄目になるんだけどね、そんな私をお爺さんが気に入ってくれたのよ。
『自分の人生を親の言いなりにならないところが良い』とか言ってね。
でも、両親にはこっぴどく叱られたわ。
そのあとはお爺さんとの根競べだったわ。
どんなに酷い事を言っても、1年間と少し、毎日時間の許すかぎり会いに来てくれたわ。
で、結局は私の方が根負けしてお爺さんと結婚したわ。
元々、両親はお爺さんの味方だったから式まではあっという間だったわ。
それで、貴女のお母さんや叔父さん達が生まれたのよ。
これで私の話は終わりよ。
いつか貴女も私のように運命の人と出逢えるわよ。
だから、晶、もうお休みなさい。