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□そんな一日
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夢を見た。
伊沢と俺と俺たちの子供の三人で、ピクニックに出掛けたんだ。
だけれど、その途中で事故にあった。
俺は助かったけど、伊沢と子供が死んじゃう夢を見たんだ。
そこまで伊沢は俺の話を聞くと、俺をしっかりと抱きしめた。
「俺はお前より先に死にはしない」
「そんなのわからない」
俺が弱弱しくそう言うと、
「俺は、お前より先に死なない。だから、悲しまなくていい」
伊沢はそう言った。
「うん」
俺は伊沢に体を預け、身を任した。
伊沢も何するわけでもなく、俺を見守ってくれた。
悪夢は嫌だけれど、たまにはこんな日があってもいいのかもしれない。
何をするわけでもない一日が・・・。
END.