キリリク

□愛とは何だ?と、問われたら
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−愛するか愛さないかは、俺達の自由にはならない−



そう言ったのは誰だろうか?
この言葉を聞いた時、私は否定的だった。
そのとき私はまだ青く、世の中の女性は全て私のものだと思っていたからだ。

それから時は流れ、私は中佐という地位にいた。
絶望しかなかった戦いを踏み台にして、得たものだ。


一人バーでグラスを傾けていると、やたら暗くなる。
声をかけてくる女もいたがその気になれなかった。
一人になりたくなくて来たのに、周りの音が妙に気に障った。
帰ろう、そう思ったときだった。
また声を掛けられた。
普段はこの美貌が役に立つのだが、この様な時には邪魔でしかない。
仕方なく振り向くと、そこにはホークアイ少尉がいた。

「君がこのようなところにいるとは・・・」
「中佐、顔色が悪いですよ。飲み過ぎではありませんか?」
「ああ、少しな。今帰ろうと思っていたところだ」
「そうですか、お気をつけて」

送って行くと、てっきり言うものだと思っていたからあっさりと別れを告げられたことに目を見開いてしまった。

「どうかされましたか?」
「いや、何でもない」

どうやら酒の飲みすぎたようだ。
感情が保てない。

それじゃあ、と手を振り彼女とはそこで別れた。
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