ハガレン1
□いつか叶うと信じて・・・。
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「・・・イ、ロイ、朝ですよ」
−この声は誰だろう?
俺をロイと名前で呼ぶのは、マースしかいないのに。
「ロイ、起きて下さい」
目を開けると、そこには鳶色の目をした金色の髪を持った女がいた。
「・・・君は?」
「何を寝ぼけていらっしゃるんですか。早くしないと遅刻なさいますよ」
状況がいまいちの見込めない俺に、女は一分のすきもなく言い返した。
「遅刻?」
「そうですよ。幾ら大総統になったからといって、遅刻なんて許しませんよ」
早くして下さい、とせかす女に言われるまま俺は身支度をした。
キッチンに向かうと、朝食が用意されていた。
「今朝は玉子焼きです。昨夜、ロイが落とした卵がまだあるので」
そう、にこやかに笑う女は幸せそうだった。