ハガレン1
□旅立ち
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「中尉、前大総統の息子の葬式は何時だった」
それは突然の質問だった。
「大佐が意識を失われている間に。ですから、1ヶ月前になります」
リザは淡々と答えた。
ロイはプライベートの時にはリザの事を名で呼ぶようになっていたが、今呼ばれたのは軍人としてのリザでそこに私情など求められていない。
だからリザは感情を抑えて話した。
「そうか、・・・エルリック兄弟は」
「アルフォンス君は生身の姿に戻れたと、アームストロング中佐が。ただ、エドワード君は行方不明です」
「分かった。暫く一人で考えたい事がある」
「了解しました」
リザはドアを閉めると、部屋から離れた。
そして、応接間のソファーに座り込んだ。
そこでアレでよかったのだと自分に言い聞かせていた。
ロイの容態は回復に向かっていて、先日はハヤテ号の散歩がてらに二人で市場まで出掛けれた。
その時は、余裕のある微笑を見せてくれた・
だから、精神的にも大丈夫だと判断し伝えた。
それに、あの場で求められていたのはホークアイ中尉なのだ。
冷静で、彼にだけ忠実な副官を。