ハガレン1
□大江戸の人々
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ここは将軍様のお膝元であるお江戸。
そこに住む人々は、とても生きいきと個性的だ。
この茶屋の人々も例外ではなかった。
そこにいる看板娘であるりざは江戸中の男女の憧れの的だった。
そしてこの男も・・・。
「りざ」
りざは声の主を見るまでも無く、それが誰か判った。
「ろいさん、本日は何の御用ですか?」
「もちろん君に会いにだよ」
「何言ってやがんだ!この好色家!!」
という声と共に跳び蹴りがろいに降りかかるが、ろいはさらりとかわした為そのまま地面に激突した。
「っ〜〜〜〜〜」
「大丈夫!?えどわーど君」
「まだまだだな、えど」
えどは振り向くと、小ばかにしているように笑うろいとその斜め後ろに心配そうに見ているりざがいた。
跳び蹴りをしたえどわーどことえどは、ろいを毛嫌いしているので会えばこの調子だ。
なので、この茶屋の客は「何時ものことか」と誰もえどの心配などしていなかった。
「さて、邪魔もいなくなったことだ。私達は逢引の約束でもするとしようか」
そういうと、ろいはりざの腰に手を回し連れて行こうとすると、
「りざ姉にきたない手で触るんじゃねぇ!」
と、えどが再び立ち向かったがそこで「やめなさい」という声が割り込んだ。
声の主はこの茶屋の経営者の孫娘ういんりぃだった。
「えど、あんたこれ以上営業妨害する気!?ろいさんもりざ姉もいちゃつくなら、他でお願いします!」
「これは失敬。では、外に行こうかりざ?」
「・・・ええ・・・」
ろいは嬉しそうに微笑むが、りざは不服そうな顔をして店に迷惑をかけれないからと渋々ろいに着いて行く。