お題
□友情・切ない系で5のお題
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「あと5分‥」
「駄目です、今日は大事な日なんですから」
「きょう‥?」
「ええ、貴方がこの国のトップとなる日です」
「そうだった…!」
男は思い出したようで、慌てて立ち上がる。
「式まであとどれくらいだ!?」
「2時間15分です」
女は男に反して、冷静に答えた。
「残り2時間…リハーサルを中止すれば、間に合うな」
「いえ、リハーサルをしても十分間に合います」
「なぜだね?予定では私は開始3時間前には下見をしているはずだ。それからリハーサル前の最終チェックのはずだ」
「それは替わりに私が行いました。今、リハーサル前の最終チェックを行っています」
女は男をなだめるように言った。
「あとは将軍がその間に準備をしてもらい、リハーサルを行っていただくだけです」
「さすがホークアイ少佐だ」
「お褒めいただき光栄です」
男はすっかり安心し、本来の冷静さを取り戻していた。
「ああ、そうだ。少佐、式のあとに私の所へ来てくれないか?大事な話があるんだ」
「分かりました」
男はその答えに満足そうに微笑むと言った。
「では少佐、行くか」
「はい」
女は黙って、男のあとに続いた。