ハガレン1

□シンデレラ(後編)
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ロイはリザを捜していた。
王はロイの熱心な姿に心を打たれ、王子に協力するようにおふれをだした。
王妃も未来の姫の為に、専用の部屋を用意した。
それらを始め、国中が王子の心を射止める人の出現に喜んだ。
娘達は自分ではないかと胸に期待を膨らませて、王子が訪れるのをいまかと待ちかまえていた。


ロイとハボックはとある家の前で、問答していた。
「王子は行かないんすか?」
「当たり前だ。ハズレだと分かっているのに、行く必要などない」
「あ〜、はいはい」

演出の為とはいえ、面倒臭いことをするとハボックは内心呆れつつ口にはしなかった。
こんな具合にいつの間にか国中の娘達の元を訪れていた。
国中の娘達の元へ訪れる予定ではなかったが、娘の母親達がロイを招いたのだ。
おばんにまで王子が余計に愛想を振り撒くからだと、ハボックは怨んだ。
もちろん心の中で。


盛り上がったのはこの家も例外ではなかった。
王子が結婚相手を探している、という話を聞き付けたラストは子供達を着飾らせた。
もちろんリザに対しても手抜かりはなかった。

「リザ、貴女は良いと言うまで自室へいなさい」
「しかし、まだ家のことが…」
「言ったことが、聞こえなかったのかしら?」
「いえ、すぐに部屋に戻ります」
「早くするのよ」

ラストはそうキツく言い渡した。
ラストがいなくなったあとリザは言いわれた通り部屋に篭った。
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