ハガレン1

□締切り前
1ページ/3ページ



退屈な日__

そんな日は決まって山積みな書類がある。

気分転換に散歩にでれば、逃亡しただのの言い掛かりをつけられ執務室に押し込められる。

「締切りは明日なんですよ!」

怖くて有能な副官が私を睨む。

抵抗までに笑ってみるが、通じるわけがない。

仕方なく書類をやり始めた。

どれくらい時が過ぎただろうか。
あんなに高かった太陽はすでに沈み始めている。

「中尉、そろそろ休暇を‥」

恐る恐る提案してみるが、許可は下りない。

「まだあと半分残ってるんですよ」

逆に叱られる始末だ。

ため息をつきながら、また書類をやり始めた。

それから暫くすると、香ばしい良い香が私の鼻孔をくすぐった。
香の元をたどると、そこには丸い形のパンケーキが置かれていた。

「お疲れ様です、一旦休暇になさって下さい」
「これは君が作ったのかね?」
「はい、お口に合うかどうかはわかりませんが」
「美味しいに決まっている」
「そんなことは食べてみないと分かりませんよ」
「君の料理は食べる前からわかるよ」

なにせ君の料理は私好みだからな。と心の中で呟いた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ