ハガレン1
□締切り前
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退屈な日__
そんな日は決まって山積みな書類がある。
気分転換に散歩にでれば、逃亡しただのの言い掛かりをつけられ執務室に押し込められる。
「締切りは明日なんですよ!」
怖くて有能な副官が私を睨む。
抵抗までに笑ってみるが、通じるわけがない。
仕方なく書類をやり始めた。
どれくらい時が過ぎただろうか。
あんなに高かった太陽はすでに沈み始めている。
「中尉、そろそろ休暇を‥」
恐る恐る提案してみるが、許可は下りない。
「まだあと半分残ってるんですよ」
逆に叱られる始末だ。
ため息をつきながら、また書類をやり始めた。
それから暫くすると、香ばしい良い香が私の鼻孔をくすぐった。
香の元をたどると、そこには丸い形のパンケーキが置かれていた。
「お疲れ様です、一旦休暇になさって下さい」
「これは君が作ったのかね?」
「はい、お口に合うかどうかはわかりませんが」
「美味しいに決まっている」
「そんなことは食べてみないと分かりませんよ」
「君の料理は食べる前からわかるよ」
なにせ君の料理は私好みだからな。と心の中で呟いた。