But I still love you.
□6.死神代行
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─宙side─
「現世、に?」
私は総隊長に言われたことを繰り返す。
どうやら虚が大量に出たらしく行ってこいとのことだった。
「お呼びでしょうか」
そう言って入って来たのは冬獅郎。
冬獅郎は私の姿を見ると嬉しそうに微笑んだ。
「日番谷隊長も月見里隊長と現世に行ってもらう」
冬獅郎はうなずく。私たちは部屋から出た。
「現世かぁ。私、始めてだ」
現世への期待を胸に嬉しくて頬が緩んだ。
「虚ごときに隊長を行かせるか……?」
日番谷隊長の言うことは最もだ。
しかし何となく、理由がわかった。
──私を抹殺するため。
四十六室の決定だろう。
私を簡単に殺せないから虚に殺られたと表向きに発表する。
そして信憑性を増すために冬獅郎を同行させた。
これが私の推察だ。
ま、考えすぎだと思うが。
「現世に死神代行がいるんでしょ?」
私がそう聞くと冬獅郎は眉を潜める。
「あぁ……」
どうやら冬獅郎は代行が苦手らしい。それが面白くて私は小さく笑った。