But I still love you.
□4.甘味処
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─宙side─
隊長に就任してから1カ月たった。
慣れなかった仕事にも隊士達のサポートもあって何とかやっていけた。
他の隊の人ともなんとかやっていけてるし……。
まだ十一番隊と十二番隊には関わりたくないけど。
それでも毎日が楽しかった。
けど、そろそろ『消される』って感じがしていた。
誰かに常に見られていて気を緩めれば殺されてしまいそうな……。
「殺るならはやく殺ってくれればいいのに」
軽く溜め息をついてある場所へと向かった。
「お、いらっしゃい」
すっかり顔馴染みになった甘味処のおじちゃんに挨拶をする。
「今日も来てるよ」
おじちゃんはニヤニヤとしながら私に言った。
「おまたせっ」
私はいつもの席につく。
「おせーよ」
そして隣には銀色の髪の隊長。
「仕事長引いてさ」
私がそう言うと日番谷隊長は頬を緩めた。
おじちゃんはなにも言わずにいつもと同じ餡蜜を私たちに出した。
「なんか疲れてないか?」
日番谷隊長は私の顔を見ていってきた。
「ん〜……」
曖昧な返事をしてはぐらかす。
日番谷隊長には迷惑をかけたくない。
それに。
これを知ったら日番谷隊長まで殺されるかもしれない。
「そういえばさぁ」
私が別な話をしようとすると日番谷隊長は私をじっと見る。
その目はとても真剣で。
「……最近、誰かに見られているような気がするんだ」
そんな日番谷隊長に折れて小声で話した。
日番谷隊長は少し考え込む。
「なら、俺が守ってやるよ」
日番谷隊長は優しく微笑み餡蜜を食べる。
日番谷隊長の言葉が頭のなかでこだまする。
「……ありがとう。けど大丈夫」
ここで甘えちゃダメだ。
これは私の問題でしょ。
日番谷隊長を巻き込むな。
「どーせ、気にしすぎだと思うし」
私は笑ってごまかす。
日番谷隊長は納得していないようだったが頷いた。