気になるアイツ
□5話『苛立ち』
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*エドワードside*
俺は非常に苛立っていた。
「なんだよアイツ!」
俺はステーキにフォークを突き立てる。
音がかなり大きくて回りの客に見られたがどうでもいい。
「けど、勝手に来たのは僕らだし…」
アルは控えめに言う。
確かにそうだ。
手紙を見て勝手に飛び出してきた。
けど。それにしてもないだろう?
「……それより一緒にいた人は誰なんだろ」
アルの問いに俺も考える。
何となくだけど、嫌な予感がした。
*アキラside*
「良かったの〜?」
エンヴィーはわざとらしい笑みを浮かべて聞く。
「誰の青でこうなったんだか」
皮肉を込めて言ったがエンヴィーは笑顔を崩さなかった。
「……あの2人には手を出すなよ」
私はエンヴィーを睨み付けて言う。
「わかってるって」
エンヴィーは肩をすくめる。
──はやく逃げて。
そう願うことしか出来ないのがとてももどかしくて仕方なかった。
そのときの私はエンヴィーの呟きに気づかなかったのだ。
「……なぁんてね」
やっと天候が安定してセイガイハ行きの列車が運行し始めた。
成り行きでエンヴィーと一緒に乗る。
そして列車は動き始めた。