気になるアイツ
□4話『彼女の悩み』
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*アキラside*
私は非常に困っていた。
ここはセイガイハの手前の町、テーティス。
セイガイハの気候が悪いらしく列車が動かない。
「「こんなところで足止め食らってる場合じゃないのに……」」
声がかさなり、声のした方を見る。
そこには中性的な容姿の男(?)がいた。
「君もセイガイハに行くの?」
中性的な男は私に聞いてくる。
「まぁ、ね。そういうあんたも?」
男は肩を竦めて頷いた。
「僕はエンヴィー」
男はエンヴィーと名乗ったので、私も名乗ろうとする。
「氷雪の錬金術師、でしょ?」
私は後ろに飛び退く。なんかヤバイ。
「……なんで知ってんのさ」
私はさりげなくブレスレットに触れる。
「そう警戒しないでよ〜」
エンヴィーはけらけらと笑いながら私に近付く。
「知らないやつが名前知ってたら警戒するデショ」
私は更に後退しようとしたが腕を捕まれて出来なかった。
「今日の僕は機嫌がいいんだ。ちょっと付き合えよ」
エンヴィーはそう言って私を引っ張り走り出した。