気になるアイツ
□3話『錬金術師の苦悩』
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*エドワードside*
「あー、大佐に会いたくねぇ」
俺は扉の前で項垂れていた。
「あんだけ壊したら、ねぇ…」
私はリオールの悲惨の情景を目に浮かべる。
「ま、あれは鋼のクンのせいデショ」
鎧クンと顔を見合わせて頷く。
「そりゃないだろ!?」
扉の前でギャーギャー騒いでると後ろから声をかけられた。
「なに騒いでいるの」
後ろを見るとホークアイ中尉がいた。
「中尉!元気でした?」
アキラはパァと顔を輝かせる。どうやら中尉と仲が良いみたいだ。
「大佐が中でおまちかねよ」
中にいる大佐は非常にイライラしていた。
「やっときたか」
俺は乱雑に報告書を投げた。
「……こんなに壊す必要はあったのか?ん?」
大佐は黒い笑みを浮かべて聞いてくる。
「鋼のクンがあんなでかいの錬成しなければ被害はもっと少なかったね」
アキラに痛いところをつかれ押し黙る。大佐は深い溜め息をついた。
「まぁいい。手がかりがなくてここに来たのだろう?」
挑発的な笑みを浮かべて一枚の写真を見せる。
「綴命の錬金術師、ショウ・タッカーだ」
俺は名前を繰り返す。
「彼は合成獣の研究しててね。なにか手がかりがあるんじゃないのかな」
俺らは部屋を飛び出す。
「ありがとな大佐!」
大佐はアキラを呼び止めた。
アキラは眉を潜めたが頷いた。
「先に行ってて」
俺たちは頷いてタッカーの元へ走った。