気になるアイツ
□1話『氷雪の錬金術師』
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*エドワードside*
俺は大佐の元へ向かっていた。
アルも一緒に着いてきている。
「兄さん。賢者の石のことかな」
アルの問いに俺は首をかしげた。
「ま、早いとこ行こうぜ」
俺は歩くスピードをあげた。
部屋の前では中尉が待っていた。中尉はなかに俺らをいれる。
すると鋭く尖った氷が飛んできた。
「うわぁぁぁ!?」
俺は間一髪でしゃがみかわした。
何なんだよ一体!?
「大丈夫〜」
部屋の奥から高い女の声がした。初めて聞く声だ。
「やっときたか鋼の」
大佐の声が右側から聞こえた。その額には汗が滲んでいる。
恐らく闘っていたのだろう。あちこち凍ったり焦げたりしている。
「これが鋼のクンか〜」
女は俺に近づいてくる。身長的に俺を上目遣いで見てくる。
……なんていうか、カワイイ。
「氷雪の錬金術師、アキラだよ。宜しく」
アキラは手を差し出す。俺はその手をとり握手した。
「兄さん……」
後ろにいたアルが中を覗く。アキラはアルを見ると目を輝かせた。
「カッコいい!」
アルが照れ臭そうに頭をかく。それを見ているとなんだか無性に腹が立った。
「静かにしたまえ」
大佐の声で静かになる。大佐は話し出した。
「アキラも賢者の石を探している」
大佐の言葉に俺は息を飲んだ。隣にいるアキラを見ると酷く切ない顔をしていた。
「……人体錬成したんだ」
アキラの言葉に耳を疑う。その声は小さかったがはっきりとしていた。