ポケモン冒険小説
□vsシジマ
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「俺は空手王のフミヒト!お前は?」
「ツルギ。セイガイハシティのツルギだよ」
相手のポケモンはエビワラー一体のみ。対してツルギはリグレーを出した。コジョフーを捕まえた後に、初めて自力で捕まえたポケモンだ。
「見たことねぇポケモンだな。しかし!俺がすべきことはただ一つ!ツルギ!お前を!倒すこ
とだぁ!」
――暑苦しいなぁ。嫌になるよ。
屈強な体格のトレーナーの士気が上がるのと同時に、エビワラーのマッハパン連続パンチが飛んできた。リグレーはそれを避けずに受け止める。
「この至近距離なら外さない!リグレー!サイケ光線!」
リグレーの手から出たショッキングピンクのような色合いの光が、エビワラーの体を貫通した。
「へっ…エスパータイプか?弱点をもろに突いてきやがるな。だが!エビワラーは元々特殊防御力が高い上に、特性は鉄の拳!こっちのダメージもデケェが、そっちもなかなかだろ?」
鉄の拳は、パンチ系の技の威力が上がる特性だ。しかし、威力が上がれば上がるほど危険な場合もある。それは、
「エビワラー、混乱してますよ。リグレーのサイケ光線で」
フミヒトが驚いてエビワラーを見る。しかし、何の変化も見られない。そのうちに、またショッキングピンクがエビワラーを貫いた。
「隙あり!バトルは油断した方が負けなんだよ!」
二発目のサイケ光線は流石に耐え切れず、貫かれた勢いそのまま、エビワラーは後ろに倒れた。
「ひ、卑怯にも程があるだろうが!嘘で相手を惑わすなんて…!」
フミヒトが食って掛かる。スミレもワビスケもツルギの戦略に度肝を抜かれたようで、開いた口が塞がらない。
「だから、油断した方が負けって言ったよ。僕は間違ったことを言ってるかな?」
油断と嘘は別物なのだが、ツルギは譲らない。
「フミヒト、負けたことは変わらねぇ。次は俺がやる」