Book―short

□嘘吐きの成れの果て
1ページ/1ページ

グロ練(?) グロくならなかった…。




 ごぽり。

 白い空間が赤に染まってゆくのを見ながら、また血を吐き出した。

 きっとこの今は真っ赤な鮮血は次第にどろどろとなってゆき、赤黒くなって固まるのだろう。するとやはり、この傷を付けて血に汚れてしまったこのナイフも赤黒く固まってしまうのだろうか。

 そう想像してまた、腹部にナイフを突き立てた。

 これといって「痛い」とは、思わない。否、思わなくなってしまった。ずっと前の、アノ時は痛いと感じたのになぁ〜、としみじみ考えて、自嘲を漏らした。

 「痛み」が僕を示す物だった筈なのに、いつしかそれを特殊な物と感じなくなっていた。だけどもやはり自らの体に傷が付くその感覚は、自らが死した時の事を鮮明に思い返させた。

 つぷつぷと体の中に埋まって行く刃と、滴り落ちる血液。泣きながら叫んでいたお母さんに、笑みを浮かべる男…。

 ぐ、とまた、刃に力を込めて体内へと導く。

「う、ぐ…あぁ…」

 痛いというのは特に感じないにせよ、身体にしてみれば「危険」な行為をしているのだろう。口から溢れた声はまあ、仕方のない物だ。

 …1人目の母が殺され、2人目の母が死に、優しかった姉は自殺した。その所為で父は狂ってしまって、楽しかった日常は崩れていった。

 ―――家族など、僕は持ってはいけないのかも知れない。人並みの幸福も無ければ、その分、人よりも苦しみが多い。そして、痛みも。

 思えば、始めにこの身体に傷を付けたのは誰だったか。

 記憶がある内から? そう、それもやっと物事を覚えられる様になった頃から……

 否、違うか。記憶がある頃には僕はもう既に、傷だらけだった。

 母に傷を付けられ、殴られ、だけどもそれを辛いと思う事は決してなかった。

 むしろそれこそが、僕の存在理由だったのかもしれない。

 そんなことをぼんやりと考えながら、またナイフを身体に突き立てた。

 元より切れていたその場所から更にどくどくと血が溢れ、ナイフを立てたまま身体を裂く様に動かして行けば、切り裂かれた足がびくびくと痙攣した。

(ああなんて、気持ちの悪い)

 そう、自分で付けた傷を見て思う僕は頭の狂った狂人か、それとも相当感情が欠落でもしているのか。

 なんにせよ、欠落しているこの感情に反して能力は目まぐるしく僕の姿を変え続け、常に張り付く事となってしまった薄気味の悪い笑みは、こんな時にも剥がれぬまま。

 笑いながらに自らの身体に刃を付きたてる、その姿のなんと滑稽な事か。




























































 尻切れトンボ。自分にしては良くも飽きずに練習をしていたので、ある程度満足。
(でも正直、グロの練習というよりは、カノ君の心の中の葛藤っぽい)



一応、この後になりそうな内容としては、下のどれか。

@気絶(または死んじゃった)したりしたカノ君に、クロハさんが興味を持って、一緒に住む! ※多分、ハッピー系だと思います。

Aセト登場! カノ君監禁しちゃいます! でも、カノ君は存在理由を求めているので、寧ろ喜んじゃってる感じ! ※バット、ハッピー、どちらもOK!

Bキドが来て、カノが死んじゃってるの目撃。泣いた後、自らの蛇を与えて蘇生。キドさん消滅。 ※違う世界(転生後)で、会える。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ