学校の怪談(無修正版)

□第七章:久遠の呪縛
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大好きだからまた会おう
桜の花咲く木の下で…

7章:久遠の呪縛 〜桜の木の下で〜 01

 今日は入学式。と言っても、ここまではりきっている赤澤の心境が良くわからない橘は、頬杖を付いてぼんやりしていた。
「覗いてみようか?」と言われた時、断ったのだが…なぜか二人は体育館の二階、ひっそりと身を隠して入学式を見守っていた。
二年、三年はこの空間に居てはならないのだが…

「おい、見つかったらどうする気だ…」
「そん時はそん時だよ。お、金田だ☆手ェ振ってやろうかな。」
「バレたら全部お前の責任な。俺は脅されたって言うぞ。」
「そんなこと言うなよ橘ぁ〜…」

泣きまねをしながらすがり付いてくる赤澤を鬱陶しそうに除けながら、橘は式の様子を見ていた。嫌がっていた橘の方が真剣に見ているようだ。
 かったるい話を聞くだけの式で、生気のない教師たちから送られているのは心のこもらない『台詞』のみ。生徒は半ば眠りに誘われながらも目をあけ、必死に起きていた。
その中、一人の生徒の背後に黒い靄がかかる。それは段々と広がり、そして単細胞生物が細胞分裂をするかのように途切れ、ふわふわと空中をさ迷う。

「なんだあれは…」

橘はその靄を目で追う。それはふわふわと空中を移動し、消えた。消えた辺りを見ると、見覚えのあるがっしりとした背中に、白い頭が見える。

「石田…あれ石田じゃねえか。」

その瞬間、不可解なもやのことを一瞬だけ忘れた。しかし、石田の背中にまだ靄がうろついているのを見かけ、橘は赤澤を呼ぶ。赤澤もその靄を確認するが、それは何をするでもなくただ漂っていた。

「なんなんだあれ…」
「わからない。何も起きなければいいが…」

橘が視線をずらした先は、靄の出現した場所。その位置にいる生徒が橘を見た。

「!!」

その少年が笑った気がした。
気のせいだったのか…、少年はもう橘を見てはいなかった。

入学式が終わった後、俺と赤澤は石田と石田のとなりにいた内村に話しかけた。

「おーい石田、内村!」
「「橘さん!?」」
「お前たちもこの学校にしたのか」
「はい」
「橘の後輩?」
「あぁ、中学の時のな」
「へぇ〜あ、俺赤澤よろしくな」
「石田です」
「内村っす」
「あ、そうだ橘、今度の日曜日花見行くって言ってたよな」
「あぁ」
「人数も多い方がいいし2人も誘わねぇ?」
「…それもいいな」
「じゃ決まり〜なぁ2人とも日曜もし予定が空いてたら俺たちと花見しねぇ?」
「予定は空いていますよ内村どうする?」
「橘さんもいるし久しぶりだから…行くか」
「そうだな、じゃあ行きます」
「じゃ明日9時半に学校の校門集合な」
「わかりました。では失礼しますね」

石田と内村は時間を聞きこれから用事があるといって帰ってしまった。

「そういえば、俺とお前、石田と内村以外あと誰が来るんだ?」
「んーと、東方と南と仁王と柳生と柳とたぶん真田」
「たぶんって何で?」
「実は…」

―2日前―

俺は柳達に電話番号を教えてもらっていた
花見も大勢がいいと思い2人に電話を掛けてみた。
柳はすぐOKをしてくれたんだけど…

「あっ真田?予定が空いてたらでいいんだけどさ、日曜日に花見行くんだけど行かねぇ?」
「…グスッ、花見…か?」
「…どうかしたの真田、鼻声だよ?」
「いっいやなんでもな……くしゅ!」
「大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫……はっ…………くしゃみが止まってしまったではないか!」←(鼻声)
「もしかして…花粉症?それなら無理しなくてもいいけど…」
「ずずっ…連二は行くのか?」
「え、うん来るっていってたよ」
「なるべく行く…」
「あ、うん、わかった」

〜回想終了〜

「ということがあったんだ、だからたぶん…」
「以外だな…あの真田がねぇ」
「そうだろ…」

電話したときマジでビックリしたよと赤澤が言った。

「まぁ…仁王が来るっていうのも珍しいけどな」
「そういえば、そうだな〜1回でOKしてくれたしな」
「あぁ…じゃそろそろ俺行くな。」
「うん、また日曜日な」
「あぁ、9時半だったな。」
「おう、じゃまたなー」
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