学校の怪談(無修正版)

□第六章:血塗られた記憶
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水が沸きあがる音が聞こえる。
廊下から、その床から…
救いを求めて泡が上がる。


6章:血塗られた記憶 〜残酷のサクリファイス〜 01

 「真田達とも今日でお別れかー…」

カレンダーを見ながら赤澤が呟いた。その通り、真田達がこの学校で一緒に授業を受けるのは今日で最後。明日からは元通り自分達が元々通っていた学校に戻ってしまうのである。赤澤は『ちょっと寂しいな』と言って照れくさそうに頭を掻いた。特別なイベントが人一倍好きな赤澤は、そのイベントが終ってしまうのを人一倍さびしがるのである。そのため、お別れパーティーをやろうということになったのだ。
 赤澤はさっそく柳生を誘おうとしているが、柳生は逃げ腰だ。

「いいじゃん。毎日毎日夜中に抜け出すわけじゃないし、気晴らしだと思ってさぁ?」
「しかし……」
「カタイこと言うなよ〜、やろうぜぇ〜?」

断っても無駄のようだ。赤澤は休み時間に柳生の教室にやってきてまで説得を続ける。柳生は救いを求めるように仁王を見た。仁王は『バカバカしい』と言ってそっぽを向いただけだった。それを目敏く見ていた赤澤が拗ねる。

「なんだよ〜、仁王も来いよ〜…。柳生もくるんだから(拒否権皆無)」
「まだ行くとは言ってません。」
「いいじゃん。来い。人数いないとつまんないだろ。」

赤澤のターゲットが仁王に移動する。もともと仁王のことは苦手だったが、こういうときに関しては話は別だ。柳生と仁王が最近イイ感じの関係になっている事は一目瞭然。この二人を一緒に行動させて良い感じのムードを作らない手は無かった。

「ニオ〜…」
「……帰れ。」

仁王を誘うにも彼はさっきから赤澤のせりふを無視しっぱなしで、まずは会話が成立しない…。赤澤は考えた。そして閃いた。

「ははぁ〜ん……仁王、怖いんだろ。」
「なっ………」
「怖いからやりたくないんだろ?肝試し。泣いちゃったら恥かしいもんなぁ〜(ニヤリ)」

赤澤のその言葉で、仁王が眉間に皺を寄せた。何が起こるのかと柳生がおろおろしている。仁王は立ち上がって赤澤に歩み寄り、胸倉を掴んで赤澤を立たせた。仁王に胸倉を掴まれて鋭い眼で睨まれながら、赤澤は仁王を怒らせたと思い、焦った。

「ご、ごめんって。ジョーダンだよ…ι」
「ノッてやる。」
「はぃ?」

間抜けな疑問符が頭の上で点滅している気がした。

「肝試し、やってやろうじゃんか…」

仁王が赤澤から手を離す。ハラハラしっぱなしだった柳生がホッと胸をなでおろした。

「じ、じゃぁ…今夜8時な……?」
「……ん。」

仁王は教室を出て行った。おそらく向かうのは屋上だろう。赤澤は無意識の内に仁王に手を振っていた。内心、上手くいったことを喜んでいいのか、怒らせた事を後悔したらいいのか、複雑な気持ちだった。

「全く君は・・・仁王君が苦手だったんじゃないんですか?」
「苦手だけど・・・つい。でさぎゅーくんも来るよね?」
「いえ、ワタシは・・・検定も近いですし」
「えーこないの?やろうよお別れ肝試し仁王も来るしさ」
「ですが・・・」
「・・・もしかして怖いの?苦手とか・・・」
「!・・・いえそんなことはないですよ、わかりました。行きます真田君たちとこの学校で過ごすの最後ですしね。ではワタシはこれで8時でしたよねではまた。」
「うん、じゃまた後でな」

柳生は仁王の向かった屋上へ行ってしまった。(何しに行くんだろう・・・まぁいいや)

「よーし学校終わったら準備しよー」

とりあえず赤澤はメンバー(橘、東方、南、幸村、柳生、仁王、真田、柳)が集まりすごくうれしそうだ(幸村以外のほとんどは皆強制だが・・・)
その日の授業が終わった後準備をしてあとは夜を待つだけだった。

8時

「やっほーみんな」
「おまえ学校にはよく遅刻するくせにこういう時は早いよな・・・」

そこにいた赤澤以外は橘の言葉に心の中だがうなずいていた。

「じゃさっそくはじめようか。お別れ肝試し大会!!」
「まっまぁ俺たちも最後だし・・・楽しませてもらうとしよう・・・」
「じゃルール説明。この校舎の地図を1チームに1枚づつ渡すからその地図にしめしてる場所に行ってお札をとってきてください。あっチームはクジで決めるから順番に回していって、あとこの地図と札は手塚に隠してもらったから。
行き方は1つのチームが行っているあいだは全員ここで待機ね。札を見つけたらすぐ帰ってくることルール説明終わり何か質問ある?・・・・・・・・・・じゃチーム発表☆
1番目東方と俺、2番目橘と真田と南、3番目は柳と幸村、4番目は仁王とぎゅーくん。じゃ順番に地図を引いて」

赤澤に言われたとおり地図を引く

「じゃ肝試しスタート!いくぞ東方」
「え、おい待て走るな!!」

俺と東方は校舎の中に走った(東方は走らされた)

「うわーやっぱ夜の校舎って暗いよな。」
「怖いのか?」
「少し・・・」
「・・・」
「あっでも何か出てきても東方いるし大丈夫かな。」
「まぁそれはいいとして地図・・・」
「あぁ、そうだったえーと地図には・・・右ってかいてある行こう」
「・・・あぁ」
「でも右なんてないよな」
「あぁ・・・」
「どこで間違えたんだろう・・・」
「見せてみろ・・・・・・・赤澤これ上下逆だぞ」
「え、うそ!?」
「はぁ・・・これじゃたどり着けるわけないだろう・・・まったく戻るぞ」
「ごめーん」

俺たちは道を戻り何とかかんとか目的の場所にたどり着いた。
そこは・・・

「生徒会室?」
「なるほど手塚らしいな。」
「えーと・・・あったよ札」

札は机の上にわかりやすく置かれていた

「これって・・・俺の札じゃねぇか!いつとったんだよ・・・」
「いや、こっそりと」
「おい(怒)」
「いーじゃん別にー減るもんじゃねぇし。」
「減るんだよ・・・まったくまぁ俺も気づかなかったし、でも今回だけだぞ」
「わかってるって。さ、早く戻ろうぜ」

本当にわかっているのか分からなかったがとにかくみんなの所へ戻った。
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