学校の怪談(無修正版)

□第六章:血塗られた記憶
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あの日のあの子はどうしてる?
あの日のあの子は地に堕ちた。
悪魔に魂売り捌き、
神に背を向け歩いてる。

6章:血塗られた記憶 〜残酷のサクリファイス〜 02

 赤澤達が帰ってくると、今度は次のチームが校舎に向かう。しかし、今回のチームはまた大変そうだった。
睨み合う橘と真田の間にはさまれて、南が居心地悪そうに縮こまっていた。真田を警戒している橘は、気を緩めることはできない。そして、真田も橘同様に気を緩める気配は微塵も感じられなかった。そんな息苦しい空間に置かれている南は、なんとしてでも早く終わらせて皆の元に帰りたかった。このままでは居心地悪すぎて、引きつった頬の筋肉が硬直しそうだ。

「さ、さて…。札探すか。」
「「そうだな。」」

同時に返事をすると、さっそくまた睨み合う二人。台詞が揃うと大抵、『うわ、いまハモッちゃったじゃん!』とか言ってはしゃいだりするものなのだが、この二人はやはりそうはいかないようだ。みなみはそのくらいどうでもいいじゃないかと思ったが、言えはしなかった。突き刺さる視線の集中攻撃をその一身に受ける勇気は無い。
 ふと、背後で物音がした気がした。緊張していた南の聞き間違いかもしれないが、確かに何か音が聞こえてきたのだ。険悪なムードで睨み合っている二人はその音には気づいていないらしく、相変わらず先を行く。南が立ち止まってから数歩歩いた所で二人はやっと立ち止まった。

「どうした?南。早くしねぇと…」
「なんか今、音しなかったか?」
「音?聞こえなかったと思うが…」

=カタン…

「…ほら。聞こえるってば」

南は段々不安な顔になる。橘も真田もその音は聞こえたが、さして気にするほどのことではないと思った。二人ともさすがに南よりは“霊感”があるのだ。何もいないということはわかっていた。しかし南の怯えようはなかなか酷いもので、ついにはその場に立ち尽くしたまま動かなくなってしまった。
 橘は溜息をこらえながら南に歩み寄る。
「南、止まっちまったら余計に怖い思いするだろ…」

=カタン…

「!」

一瞬南が目を見開いたかと思うと、ものすごい力で橘と真田の腕を引っ掴み、廊下を全速力で走り出した。普段は橘よりも遅いと思われる彼のフットワークも、この時ばかりは橘の何倍も上回っているかのように感じられる。というのも、橘も真田も南に腕を掴まれ、無理な体勢で走っているのだ。走りにくいのは当然である。
 南は階段の前辺りで足を止め、やっと手を離した。そして乱れた呼吸を整える。

「あー…怖かった…」
「お前がだ。」

怖がるのはし方の無いことだが、いきなり南のなまっちょろい腕からは想像もつかない力で引っ張られた真田と橘にも、南は十分に恐怖心を植え付けたことだろう。真田は地図を開きながら位置を確認する。他校の生徒である真田は地図を見ないと学校の構造がわからない。

「ここが…階段だから……もうすぐそこではないか。」
「え?あーあ。ホントだ。よかった。」

3人はまた少し歩く。しかし、一度恐怖心を覚えてしまった南は橘の腕にくっついて離れなかった。
指定された教室で札を見つけると、3人はもと来た道を引き返し始めた。
そのとき、橘と真田はたしかに何かの気配を感じていた…。

(…これはいったい……)

気配自体は感じられるのだが、その気配がなんであるのか、橘にはわからなかった。真田はどう思ったかは知らないが……

「おかえり、遅かったね」
「いったいどうしたんだボロボロじゃないか」
「いや…実は」

橘がいうには札をとったあとここに帰るまでにまた音がして南が叫びながら逃げたらしい。
逃げるときに壁にぶつかるは転ぶは落ちるは最後はバケツをひっくり返してビショビショになるわでたいへんだったらしい。
しかも南1人ではなく、南は橘と真田の腕をつかんでいて2人は巻き添えをくらったという。

「…大変だったね」
「橘、真田ごめん…」
「いや、別に気にしてないよ。ははは…」
「じゃ、次は柳と幸村だね。」
「うん、じゃいこーか柳」
「あぁ」
「いってきまーす。」

俺たち2人は地図を見ながら話しをしていた。
中学校の時の話しを…

「それにしても久しぶりだよね。ジャッカルとか丸井とか今頃どーしてるのかな?」
「あまり変わってない確率99%」
「あはは、柳らしいね。赤也も元気にしてるかな?」
「…」
「どうかした?」
「いや、何でもない」
「そう?じゃさっさと札とってこようか」

俺たちは地図の目的地に近づいていた

「もうすぐ着くね」
「あぁ、そのようだな」
「えーとここは…調理室?」

あの時の事を思い出す
自分が倒れて病院へ運ばれた時だ
あの後東方くんから聞いた“食人鬼”
調理室と見ただけであの時の恐怖が蘇ってきた。

「幸村?」
「ごっごめん、早く札探そっか」
「…あぁ」

食人鬼のことを思い出して最初は怖かったがあれは橘が封印したと言うことを思い出した

「あっあったよ柳」
「いったいどこにあったんだ?」
「ナベの中」
「…またすごい所に隠したものだな手塚は…」
「そうだね…」

俺たちは調理室から出てみんなのいる所に戻ろうとした
その途中で幸村が急に足を止めた

「どうしたんだ、幸村?」
「ねぇ…何か聞こえない?」
「?」

=カタン…

「!」
「ね、何か…」
「…」

=カタン…ビチャ…

「あ…」

幸村は俺の服をつかんだ

「幸村?」

柳が名前を呼んだ瞬間にまた音が聞こえ幸村は無言で走り出した。
柳の服をつかんだまま

「あ、戻ってきたよ」
「でも、何か走ってる…」

タッタッタッタッタズサァー!!

「ゼェゼェ…札とってきたよ」
「おっおかえりι」
「何かあったのか連二?」
「お前たちと同じようなことがあった。」102ページの7行目参照
「「…大変だったな」」(橘&真田)
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