東京喰種

□初恋の味、
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ある夏の昼下がり。
うちわで風をおこしつつテレビを見ていたら、ピンポーンと呼び鈴のなる音がした。
宅急便でーす、という声がしたので玄関のドアを開けると、確かに荷物を持った人がいる。

「こちら、鈴屋什造さんの御宅ですか?」

「はい、そうです」

「では、この紙に印鑑かサインをお願いします」

「はい、どうぞ」

「有難う御座います。こちらお届け物です」

「あ、ありがとうございます」

「では、失礼します」



(一体誰からでしょう?)

荷物を受け取った什造は暫くそのままの姿勢で考えていた。
全く見に覚えがない。
大きさと形からして、おそらく “お中元”というもののようだが、それについても全くと言っていいほど縁は無かった。

(とりあえず、開けてみましょう)

なるべく丁寧に開けていくと、中には色とりどりのボトルが。
一本だけを残して全て冷蔵庫にいれ、残しておいた物をよく見る。

(ものすごく美味しそうなんですけど……本当に誰が送ってきたのです?)

何かヒントはないかと箱を持ち上げ裏をみた瞬間、あっと声をあげてしまった。

(ああ、金木くんでしたか)

なるほど、とても彼らしい。
裏に貼り付けられていたのは、一枚のメモ用紙。
そこに名前が書いてあったのだ。

(どれどれ、他に何が書いてあるか読んじゃいます)

什造くんへ
最近暑いけど元気にしてる?
なかなか会えなくて寂しいのでこれを贈ります。
喜んでくれると嬉しいです。
金木 研

(ふふっ、金木くん、僕はとても嬉しいですよ。もちろん、金木くんがくれる物なら何でも)

突然の恋人からの贈り物に少し照れつつ、でもにやにやが止まらない。
この夏、最高に幸せなひとときだ。

ふと、メモの続きが目にはいった。それをみた瞬間、今度は顔が真っ赤に染め上がる。

(金木くん、何が言いたいんですか!?)

そこに書いてあったこと。
それは…………


























追伸
この飲み物の最初のキャッチコピーは

「初恋の味」















________________________________夏だ!サマーだ!お中元だ!という意味がわからないフレーズが頭の中を回っていたので、書くしかない、と。

この飲み物が何か分かりました?
あれです、カラダにピースするやつです。
 

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