鬼灯の冷徹
□大丈夫、僕がついてるから
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ある日、いつものように白澤がダラダラしていると、突然ドアが開いた。
「(誰だ?)いらっしゃいませ〜」
女の子ならいいな〜、と期待していた白澤は、現れた人物を見た瞬間顔をしかめた。
「うわ•••。お前かよ」
「私じゃ駄目なんですか、白澤さん」
「いや、別に〜」
「•••そうですか」
(ん?何か、いつもの鬼灯と違う•••)
「白澤さん?どうしたんですか、こっちをじろじろ見て。気持ち悪い」
「いや•••。あのさぁ、鬼灯。最近あまり来て無かったけど何かあったの?」
「いえ•••。特には•••。どうかしたんですか?」
「ううん。鬼灯がいつもと違うなぁ〜って思っただけだから」
「••••そうですか。私は•••変わりありませんよ」
何もないように答える鬼灯。しかし、僕は鬼灯が微かに肩を震わせるのをしっかり見た。
「ところで今日は何の用?」
「今日•••は、です•••ね•••」
鬼灯は途切れ途切れにそう言うと、何の前触れも無く、バタッ!と勢い良く倒れた。
「鬼•••灯?」
声をかけても動かない。口元に耳を近づけると、静かな寝息がきこえた。
(良かった•••。疲労と寝不足•••かな?)
そう思い、僕は鬼灯を取りあえず自分のベッドに寝せることにした。