宝物・捧物
□【辻が花】黒猫子様より
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「鬼灯ッ!!好きだッ!!」
白澤は鬼灯に想いを告げた。
「煩いです。消えて下さい」
鬼灯は見事な毒舌で、白澤の告白の言葉を打ち砕いた。
「いいや!!鬼灯がOKくれるまで消えないッ!!」
「論外。さっさと帰れ」
鬼灯は金棒で白澤の頭を吹っ飛ばした。
「何度めですか…白澤様…」
「んー。3桁はいったんじゃないかな…」
「いい加減諦めろ、って意味なんですけど」
「そんな遠回しに言わなくても」
エヘヘ…と痣になった目尻を摩る白澤。
薬を煎じる桃太郎は、盛大に溜め息を吐いた。
「なんでもっと素直になってくれないのかな…?」
「素直って言うか…、マジで嫌いなだけじゃないんですか?」
「そんなはずない!たぶん!」
「自信ねーのかよ…」
いつからであっただろうか。
敵視していた鬼灯に対し、白澤がこのような奇行に走るようになったのは。
出会い頭に攻撃を仕掛けていたのは、前はいつも鬼灯であったが、最近ではそれが逆…と言うか、白澤が鬼灯に絡むようになった。
「あ…僕、鬼灯の事好きだわ…」
そう呟いたあの日。
桃太郎にとっては、まだ記憶に新しいあの日だが、それからと言うもの、白澤はしつこく鬼灯に交際を迫っていた。
「どうやったら、僕の事好きになってくれるかな…」
「知りませんよ…。てか、一生来ないと思います」
「んな殺生なっ」
「アンタ死なないだろ」
白澤は会計カウンターに腰掛け、桃太郎の煎じる薬を見たり、手元に置いてある叩で棚を叩いたりして、鬼灯のいない退屈な午後を過ごしていた。
「ん?この足音は…」
カウンターに顔わ伏せて転た寝をしていた白澤だが。
ガバッと上体を起こしたかと思うと、耳に手を当て、未だ遠い足音を探った。
「足音なんて…俺には聞えませんが…」
「聞こえる…。僕には聞こえる…鬼灯限定で」
「…まぁ、そう来ると思いましたけど」
やっと桃太郎にも足音が聞こえるようになった頃。
いつの間にか白澤は、戸の前でクラウチングスタートの構え。
桃太郎は衝撃に備えて、カウンターの内に身を潜めた。
「こんにち」
「ほぉぉおおずきぃぃぃぃいいッ!!!!」
すぐに例の鬼灯が、店の戸を開けて顔を出した。
白澤は見事なクラウチングスタートを切った。
「出たな、変態駄獣」
四番・バッター鬼灯。
大きく振りかぶって…
バキッ!!
「ぃぎぁぁああぁぁぁッ!!」
「……ホームラン…」
鬼灯は白澤の頭を金棒で吹っ飛ばした。
「…毎回頭ですよね」
「気持ち悪いんですよ…あの顔」
鬼灯は、金棒で肩をポンポンと叩きながら、ペッと唾を吐いた。
「可愛い可愛い僕のツンデレ鬼灯ちゃんっ!早く僕のモノにおなり!!」
「キモい。朽ちろ」
バキッ
「んもー!照れるなよぉ!」
「勘違いも甚だしいわ」
ドカッ
「さぁ、恥ずかしがらないで。ぎゅぅってしてあげるから」
「ホント…勘弁して下さい」
ズガッ
「嗚呼、愛を感じる…」
「ポジティブですねぇ…」
ドキャッ
「鬼灯の気持ちはよぉく解ってる。薬膳食べる?」
「それは頂きます」
ズシャッ
かつて白澤だったものを踏み付け、鬼灯はカウンター前の丸椅子に腰掛けた。
白澤は溌剌と起き上がり、薬膳を作り始めた。
「…??……?…っ!?!???」
え…、デレた…??
本日未明。
桃太郎は怪奇現象を目の当たりにした。
「……そりゃ…頑張るよな…」
きっと、白澤はこの顔見たさに頑張っているのだろうと桃太郎は悟る。
-END-
【三世界の日常茶飯事】倖様に相互リンク記念に捧げますヽ(´▽`)/
以前より来て頂いていたとの事で…
リクエストも色々として頂き、本当に有難うございます(*´艸`)
今回のリクエストは『白澤さんが鬼灯様に猛アタックしては砕け散っている白鬼』でしたが…
くっそぉ…
最後デレたよ鬼灯様…
白澤ザマァな感じでいきたかったのですがねぇ(´・ω・`)
はい。
改めまして、相互リンク有難うございます(*´∀`*)
今後とも、宜しくお願い致しますm(__)m
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