過去拍手文

□甘い時間
1ページ/1ページ



「見てみろよ猿!雪だ!!」
いつものようにbarHOMRAに入り浸り、夕方
そろそろ帰ろうかと外に出ると
まだ降り始めたばかりなのかうっすらと積もった雪

「チッ。傘お前持ってきてねぇじゃん」
「いやー…寒いなぁとは思ったんだが…ははは」
そう。朝はどんよりしてただけで確かに降るかもな…と猿比古がぼやいてた気がするが…
そんなのはどこ吹く風やらでスケボー片手に来たのだ
「まっ、猿比古が持ってるしいいだろう」
勝手知ったるなんとやらで猿比古がさした傘に入ると
「…濡れる」
舌打ちしながらも俺が濡れないようしてくれる優しさは
やはりコイツを好きだなぁと思わせてしまう。いや、好きなんだけどな。恥ずかしくて言ってやらねぇけど
「ん?どうした美咲?」
くそぉ
なんでお前そんなさりげねぇんだよっ!
そっと巻かれたマフラーは暖かくて…猿比古のにおいがして落ち着く…
あぁ、ぜってぇ顔赤いんだろうな…
「美咲…顔真っ赤」
「!」
「これから、どうする…?」
こうやって分かりきったことを聞いてくるあたり、やっぱりこいつは意地悪るなんだと思う


「まだ、一緒に…」

居たい…と小声で言えば
「んっ」
傘を傾けて軽くキスされ
ますます赤くなる顔を見ながら

「…美咲ん家行く」




まだまだ甘い時間は続きそうだ














[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ