祈りと誓い

□祗櫻
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ふと教会を散策したくなった
訳は
そうだなー…

桜が……
うん。

教会から眺める桜の花が
とても美しかったからかな……






教会内つーのは基本的に夜は寝るものだ
いや、どの世界でもそうなんですけどね


消灯してからは基本外出禁止らしい

らしいと、言うのは
テイトだって修行して夜中出てるし
俺も外部の者だし



ふらっとしてても教会内に敵は居ないし




夜桜と洒落こもうと

教会の屋根へ


罰当たりにも十字架に飛び乗り
お酒は禁じられているので
昼間シスターから頂いたクッキーを頬張る

「時期的には4月かなぁー…」

あれ?
この世界に日付感覚が果たして在っただろうか…
うん
まぁいいや
桜綺麗だし



桜見ると母さんを思い出す

文句言いつつも花見いったなぁー…

この世界じゃ遭えない、な…
見えるのに……
触れるのに…

成仏して
天界にいたらいいな…


「…クソガキ、何処で、なにしてやがる」

「ワォ!死神スタイルイイネ!フラウ!」

おばんでやす〜なんてすっとぼけたら
コツンとされた
「んー…十字架に座って花見ー」

「ったく。ほんとに司教かぁー?」
「フラウに…ううん。なんでもない」
フラウに言われたくないっていいそうになったが
彼は彼でいろいろと合っただろうに

「…風邪ひくぞ」
「大丈夫ー」
「…」
「見えるのに、触れるのに…遭えないってツライね」
「…お前にも…」
「…母さん、かな」

大好きで
大好きで
ケンカもしたし
反抗もしたけど
いつまでも
いつまでも元気で笑っていて
いつだって叱ってくれて
いつだって心配してくれた

ずっと一緒に居てくれるって
母さんなら病気に勝てるって
そう思ってた…

「でも、病院の先生には余命1年って。でも4年ちょい長生きしたよ。もちっと…いや…苦しかっただろうな…」

最期もさ
夜、相当苦しかったよね
暴れたくなるくらい…
息が出来なくなるって…

父さん間に合って
母さん、気づいたかな…?

でも俺と父さんしか間に合わなくて
看取れたの…二人だけで…
もっと早く…みんなに連絡して……
夜も…ちゃんと起きてて
苦しいなら…ちゃんと対応して

いや
歩けるときに
もっと…
もっと…

ありがとうと
大好きだよって
伝えたかった

後悔ばかり

未だに引きずって

そこから動けなくて

思い出しては、また後悔して

一歩も進めずに

うずくまって…

仕舞いには人のせいにして…

ダメだね…

少しずつ
動かなきゃ…いけないって
わかっては要るんだけど…

弱いから……

結局逃げる

「グスン…ごめフラウ…一人で…なんか…べらべらと…」
「いい。吐き出せよ」
フラウにぎゅっとされ

久々に声を挙げて泣いた





































…人は生まれてくるとき
天界の長と約束するんだ

3つの夢を

それを全て叶えると

また
長の身許に呼ばれる


だから
お前の母ちゃんも、




ゆっくりと
フラウに諭された



いつまでも
お前を見守っているぞって



そう、かな…


ねぇ母さん…

俺、さ…

まだまだ甘えてるけど…

少しずつ…
少しずつ…



頑張ってみるよ…





だから

見守っていて…



















































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