祈りと誓い

□プロローグ
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しろく

しろく

どこまでもつづく
まっしろな
せかい

けがれないこのばしょで


あなたとであった


『そなたと共に』

そういったあなたは

ちいさな
ちいさな

いしになり

そして

『勝手な願いだが…あの二人を助けてやってくれ』

あたたかいひかりが
てのなかに

うきあがったのは
あかいいし

ふしぎといやじゃない

なつかしいような
なきたくなるような

そのひかりとはんして

きゅうにやみにのみこまれる


『そなたなら…その闇も喰えるだろう。けして恐怖してはならぬ』


やみもくえる?

やみはこわくないよ

ただ、こわいのは

だれにもひつようとされないこと




『ならば俺が必要としてやろう』


だ、れ…?


『貴様にはそれだけの価値がある』


ほんと?

やみからきこえるこえ

あまく

あまくささやく


『貴様には、俺だけが居ればいい』


ちがうこえに

ひつようとされてた

だれかとともにいた

とてもいとしくて…

はなれたくなくて

ひとりにしないって

きめてたのに…

それは…

だれのことだったのか…

おもいだせない…


なおもささやく


『貴様は元々俺のだ。さぁ』

おいで、と


あぁ

あまく
あまく

そのやみに


『チッ。クソガキ』

このこえはだれだった…?

『逃がさねぇって言っただろ』

だれ?

『愛してる』

おもいだせないよ


「ごめんなさい。―――さん」


これはおれのこえ…?

だれにあやまってるの?

あぁ
おもいだせない

おもいだせないのに
あふれるなみだ


『さぁ、忘れろ』

いやだ

わすれたくない


『楽になる』

『私なら、泣かせない』

『貴様が必要だ』

やみのなかの
さらにこいやみから

いっぽんのいとが

からみつく

『大丈夫。恐れないで』

おんな、のひと…?

『貴女には加護があるの』

だから、おそれないで。と


『さぁ手を取れ』


やみがささやく

もうおちてこいと


らくになると


なにもかんがえたくない


おもいだせない…


おちていく

ずぶずぶと


ふかい
ふかい

やみに…






























『捕らえた』

















みみもとで

だれかがわらった―――――























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