いろいろ

□忘れない約束
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「なぁーあー
さぁーるぅーひぃーこぉー」

「……」

「聞こえてるんだろぉー?」

「………チッ」

朝から煩いなこいつ…
「なんだよ」

反応を示すように端末から顔を上げると、顔を背けられた

…は?

こいつマジめんどくせぇ

「あ、のさ…」

また俯き無言になって、手をもじもじしてる

聞いてやってるんだから早く話せないのかよ

「…美咲。
話すなら早く話せよ」

「っ!」

こっちを見てはまた黙る

「はぁー…」

「!?」

ベッドから立ち上がり、飲み物を取るため冷蔵庫に向かうのを、出ていくのかと勘違いしたのか、腕を掴まれた

「なっ、猿比古っ」
「…飲み物取るだけだ」
「あっ…お、おぅ…」
「で、」
美咲の分も渡して、隣に座る

…なんでこいつの布団の回りこんなにゲームが散らかってんだよ……
つか明日も学校か…
あぁ、なんか端末光ってたな

なんて考えていると

「…猿比古……」
「だから、なんだよ。
はっきり言えって」
腕をぎゅっとされ、肩に顔をすりよせられた
…かわいい
こいつ、わかってんのか?
俺が我慢してるって言うのに
わかってねぇよな
襲うぞ

あくまで、表情には出さす、話し出す美咲をがん見

「あの、さ…来週…どっか出掛けねぇ?」
「…は?急にどうしたんだよ」
「いや、なんかでかたいなぁー…とか、思って」
「…チッ。どこ行きたいか考えとけよ」

「お、おぅ!!」

まさか俺がOK出すとは思ってなかったのか、驚いた顔をしたが、すぐに笑顔に変わった

…わかってる。

来週はお前の誕生日だろ

「…猿比古…」
「ん?」
「俺…さ…」

だから、そうやって腕をギュっとするな
絶対ワザとだろ

「猿比古と出会えてよかったよ!ずっと一緒な!!これからもっ!」
「あぁ」

美咲となら
いや、美咲だから

ずっと一緒に居られる

美咲には俺が必要

俺には美咲が必要


ずっと…

ずっと一緒だと信じている

今はまだ中学だが
そんなのは関係ない

二人でなら
なんでも出来る


俺達だけで




美咲…

いつまでも俺だけを



来年も

再来年も

ずっと


俺はお前の隣で

お前の生まれた日を



「約束な猿比古!」
「あぁ。」

お前こそ忘れるなよ


お前は、俺だけを見てればいい









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