いろいろ

□3月28日
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大人組+エレンと無自覚兵長












「エレーン!」
「!?」
「あっ、ちょっと今、回れ右しようとしたでしょ!」
「あっ、い、え…お、つかれさまですハンジさん!」
「あぁ、敬礼はいいよ。で、こんなとこで珍しいね」
「は、はい…実は…」
今朝からリヴァイさんは机にへばりつくように資料とサインしなければならない書類とにらめっこ
たまたまペトラさんに紅茶を持っていってと頼まれ…
そのまま書類をハンジさんや団長に運ぶ事を命じられたから一人で廊下を歩いていたと説明

「なるほどねー…ならエレンは暇なんだね」
「ひま、…なのでしょうか…?…後は特に兵長から指示はいただいてませんが、権限は自分には無いので……」
一切の権限はリヴァイ兵長が握っている
それはもうどうしようもないことで…
「んー…まだエルヴィンとこ行ってないんでしょ!なら一緒に行こうか!」
「はい!」

あぁ…ハンジさんと行かなきゃ良かったと…のにち後悔するなんて……

















































「エルヴィーン!入るよー」
「…ハンジ…ノックくらい…やあエレン。どうしたんだい?」
「し、失礼します!」
「楽にしていいよ。もしかしてリヴァイからの書類かな」
「はい!」
入室すると、そこにはミケ分隊長とエルヴィン団長が
ハンジさんはそうそうにソファに座って寛いでいる
さすが…
「あぁ、ちょっと座って待っていてくれ」
「いえ!自分はっってハンジさんっ!!」
グッと腕を引っ張られてハンジさんの隣に座らせられた
つか、こんな細いのにどっから力が…?
さすがに分隊長なだけはあるな…って違うからっ!そんな団長室のソファに新兵ごときの自分がっ

「いいからいいから!ミケ!お茶!」
「自分で入れろ」
「えー…しかたないなぁー…」
「ハンジさん!俺がやりますよ!!」
慌てて挙止をしたが、今度はミケ分隊長に肩を押されまた、座らせられた
えっ、ちょっ、
「いい。お前は座っていろ。」
「ミケ分隊長!?」
「はいはいお待たせ」
「す、すみません…!!」
上官にお茶を容れて貰ったことに恐縮しつつ、しかも団長にまでお菓子をいただいてしまい!
この状況がこわい!
「リヴァイとはどうだい?」
「…どう、とは…?」
「んー…あんな顔だし…態度だから…苦労するだろ」
「いえ!とんでもないです!」
「無理をするな」
「ミケ分隊長まで…兵長は…そりゃ…ちょっと解りずらいかもしれませんが…よく見たり…言葉のはしはしに…その…新兵の俺にも…とても優しいです……」
下を向いたので気付かなかった
大人組が、それはエレンにだけだと、言いたげな顔をしていた事を
「…そうか。だが、なにかあれば直ぐに頼りなさい」
「そうだよー!案外あいつムッツリヴァイだから」
「ハンジ…」
「だってそうじゃーん!」
またがやがやとしだす室内
普段は巨人に対して容赦しない上官達が、自分に対して、こんなにも優しくしてくれる
…人間として扱ってくれる嬉しさ

「エレン?」
「あっ、い、いえっ」
思わず泣きそうになったのをハンジに気付かれ、慌てて目を擦りなんでもないと笑顔を向ける


「ふふ。そろそろかな」
「へ?」
ハンジさん?なんて首を傾げるとすぐに、扉を壊しそうな勢いで入室する人物が
「クソガキ…いい度胸だな」
「兵長っ!」
「人が書類やってるのに、テメェは呑気に茶飲みやがって」
「も、申し訳ありませんっ!」

ひぃっ!
地を這うような低い声で言われて
慌てて敬礼を取る
まだ拳と蹴りがないだけましだが…!

「やぁ、リヴァイ。そんなにエレンを怒るんもんじゃないよ。それにお茶に誘ったのは私達だからね」
「うるせぇぞエルヴィン。こいつは俺の許可無しにこんなとこで時間潰しやがって、来いっ」
「わっ、わっ、わっ!へ、兵長痛いですっ!か、髪がっ」
痛い痛いっ!
なんで急に髪を引っ張られてるんだ!?
確かに許可もらわなかったけど、この仕打ちはないんじゃないかと思い、団長を見ると…むしろ三人が微笑んでいるのは何故なんだ…?
「チッ。戻るぞエレン」
「は、はい!すみませんっ!失礼致しました!!」
「全くリヴァイは素直じゃないなぁー」
「…あれで無自覚なのか?」
「エレンも鈍いからね」
なんて上官達が和やかに話しているのは耳には勿論入ってこない。

その間にも、ズルズルと引っ張られ、兵長の自室まで連れていかれ…夕飯まで正座させられた…

うぅ…やはりハンジさんに着いて行かなきゃよかったよ…

改めてハンジさんには気を付けようと、検討違いな事を思った、誕生日3日前の事。

















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