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□今日も平和です
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「好きだ」
『あはー。ありがとうございます』
俺の素直な気持ちは毎回この天然小娘によって毎回流される。
そもそも小娘の癖に容姿が整っていて、無駄に頭が良くて、尚且つこの俺を差し置いてそこら辺の馬鹿共に好かれるのが問題なんだよ!!
「おい」
『どうしたの土方さん?』
「弁当を食べるのをやめろ」
『んー?だってお昼ご飯食べなきゃお腹すくじゃないですか』
ふわふわと雲の様に掴み所のないこの小娘のせいで眉間に皺が寄る。
全く空気を読まずに弁当を食べている小娘は、全然納得いかないが、か…可愛い。
『土方さんはご飯食べないんですか?お昼休み終わっちゃいますよ?』
「ふん。昼飯はさっき済ませた」
『またグロテスク丼ですか?身体壊しますよ?』
「うるせぇ。ならテメェが俺の弁当作ってこいよ 」
平然を装おっていても、心臓はバクバクと慌ただしく暴れている。
くそっ!!何で俺がこんな想いをしなきゃならねぇんだよ!!
『嫌ですよ』
バッサリと一太刀くらって目眩がする。
仮にも上司であるやつのお願いなんだぞ!!?
ちったぁ考えろよ!!
「テメェ、いー度胸してんじゃねーか?ああっ!!?」
『ありがとうございます』
「誉めてねーよっっ」
『そうだったんですか』
相変わらず黙々と弁当を口の中へと運ぶ小娘は、淡々と言葉を返してきやがる。
なんだってこんな小娘に惚れちまったんだか。
そうは思ってもやっぱり視線がいっちまう。
『ごちそうさまでした。では失礼致します』
「あ、ちょ、待て!!」
ふわりふわりと蝶の様に部屋から出ていく小娘の腕は、綺麗に俺の手をすり抜けて消えていった。
「はぁー…なんで俺が…」
『あ、沖田くん』
「なんでぃ?」
『一緒にパトパト行こー』
「仕方ねぇなぁ」
「な、に…?」
部屋を出ていった小娘は突然現れた総悟に連れられて見廻りに連れて
「行かせるかぁーっっ!!」
「ちっ。行きますぜぃ」
『ん?わ、わぁー!!』
「待てごるぁー!!」
『沖田くん。わたし走れるよ?』
「お姫様は王子様に抱き上げられて悪者から逃げるってのも、なかなか粋だろぃ?」
『あはー。ありがとー』
「だ、れ、がっっ!!悪者だごるぁっっ」
今日も平和です
それから二時間鬼ごっこが続きました。