じゅりれな小説短編・長編

□夏の夜の夢で終わらない
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全員20歳の設定です。





あたしは松井珠理奈。



8月の暑さもピークを過ぎた頃、


あたし、ちゅり、茉夏、玲奈ちゃんの4人で1泊2日のキャンプに行くことになっていた。


あたしはいつの間にか勝手な想像をしていた。



燃えさかるキャンプファイヤー。


ギターを弾くあたし。


そして隣には…





翌日



キャンプ場には既にあたしを除くメンバーが集まっていた。


茉「遅いよー!じゅっちゃ〜ん!」

珠「ごめんごめん。」

ち「珠理奈さん、相当やる気あるねぇ〜。ギター持ってきたんだ。」

珠「うん!」

玲「ギターは青春の基本っていうしね。大自然の中でのギターって風情あるし。ね、珠理奈♪」

珠「おぉ〜!分かってるね〜、玲奈ちゃん♪」

茉「後でお酒買って川で冷やしておこうよ♪」

ち「オッケー♪じゃんじゃん酔わすぞ〜♪」

珠「やりすぎないようにね。」

ち「大丈夫だって♪」


ちゅりは玲奈ちゃんに聞かれないよう小声で話した。


ち「玲奈さんはちゃんと譲るから♪」

珠「な、何言ってんのさ///」

ち「照れることないじゃん♪私の見たところ、玲奈さんは珠理奈さんに惚れてるね♪」

珠「え…ま、まさか…///」


玲奈ちゃんが、あたしに…!?



それからちゅりと茉夏はお酒を買いに行き、あたしと玲奈ちゃんでカレーを作ることにした。


玲「ねえ珠理奈♪見て見て♪」

珠「ん?」

玲「ジャガイモの皮がこんなにきれいにむけたよ♪」

珠「おぉ〜!本当だ。」

玲「私、いいお嫁さんになれるかな?」

珠「玲奈ちゃんならきっとなれるよ。」

玲「そ、そう?ありがと///」


玲奈ちゃんは嬉しさと恥ずかしさの2つが入り混じったような表情を見せた。



夕食が終わってキャンプファイヤーが始まった。


玲「はい、珠理奈♪」


玲奈ちゃんがあたしにお酒を持ってきてくれた。


珠「サンキュー、玲奈ちゃん♪」

玲「早く珠理奈のギター聴きた〜い♪」

珠「よ、酔ってないかい…?」

玲「そんな事ないって〜♪一曲弾いて〜♪」

珠「時代遅れでも、いいのかい?」

玲「私は聴きたいの!」


玲奈ちゃんはムッとしながらあたしのギターを聴きたいと言った。


このムッとした表情にやけにドキドキする…///


珠「分かったよ。それじゃ、夏の歌を…。」


あたしはギターを弾き、


それからちゅりと茉夏の前でも弾いた。


玲奈ちゃんはずいぶんとお酒を飲んでいた。





そしてあたしはいつの間にか眠っていたんだけど…





ち「ちょっと珠理奈さん、起きて!」


あたしはちゅりに体を揺さぶられながら起こされた。


珠「う〜ん…どうしたの?」

ち「ちょっと来て!玲奈さんが悪酔いしちゃって…道に倒れたまま珠理奈さんを呼べってうるさくて…ほんのちょっと飲ませすぎたかな…?」

珠「かなりでしょ。」


あたしとちゅりは玲奈ちゃんの所へ向かった。


ち「おーい、珠理奈さん連れてきたよー。」

茉「玲奈さん、じゅっちゃん来たよ。」


茉夏は玲奈ちゃんに付き添っていた。


茉「それじゃ、後はお願い。」

珠「え、うん…」


ちゅりと茉夏はあたしに玲奈ちゃんの事を任せて先に行ってしまった。


玲「珠理奈ぁ〜!」


ビクッ。


玲奈ちゃんが突然あたしの名前を叫んだので思わずびっくりしてしまった。


玲「どこ行ってたんだよぉ…早くギター弾いてよぉ〜…」

珠「どこかに消えたのは玲奈ちゃんの方だよ。さ、バンガローに戻って寝よう。」

玲「やだ!私のためにギター弾いてよぉ。」

珠「今は持ってないよ。弾いてあげるからみんなのとこに戻ろう。肩を貸すからさ。」

玲「やだぁ!おんぶして!」

珠「わ、分かったから!分かったから!ほら!」

玲「わーい♪」


あたしは玲奈ちゃんをおんぶしながら歩き始めた。


あたしは吊り橋を渡っている最中だった。


玲「珠理奈。」


あたしは玲奈ちゃんに呼ばれ目を合わせた。


玲「私、珠理奈が好き…」


玲奈ちゃんはあたしの事を好きと言ったと同時に吊り橋を揺らし始めた。


珠「うわわ!落ちるって!」

玲「珠理奈は玲奈のこと、ちゅき?」

珠「へ?」

玲「玲奈ちゃんのこと、ちゅきでちゅかぁ〜?」


今自分で玲奈ちゃんって言わなかった?


玲奈ちゃんはまだ吊り橋を揺らしている。


珠「こらやめろって…」

玲「やめない!」

珠「落っこちたら死んじゃうんだよ!」

玲「だって、こうでもしないと私のこと好きだって言ってくれないじゃん!!!」

珠「!?」

玲「ねー、どっちなの?好き?嫌い?」

珠「やめろ!!!」



2人の間に沈黙が訪れた。


先に沈黙を破ったのはあたしである。


珠「あたし…こんなことしなくても、玲奈ちゃんのこと…好きだ。」

玲「本当に…?」

珠「うん、この吊り橋に誓って。」

玲「それじゃやだ。」

珠「だったらギターに誓うよ。」

玲「…うん、それならいい♪」





しばらくして、



バンガローに戻り玲奈ちゃんを寝かせた。


玲奈ちゃんの寝顔が可愛くて左頬にキスをした。





翌日



玲奈ちゃんと一緒に顔を洗っている最中に、


玲「今日は左の頬は洗わないようにしなきゃね♪」



あたしはこのセリフに思わずドキッとしてしまった。



ちょっとフライングぎみだった昨日のキスだけど、



どうか夏の夜の夢で終わりませんように。



fin
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