48G小説特別編

□バレンタインデー(さやさえ)
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〜さや姉side〜





彩「…ハァ。」





あたしは秋葉原高校の生徒である山本彩。



学年は1年。



あたしは今、ある悩みを抱えてもうていた。





菜「彩、どうしたん?」





悩んでいるその時、親友の山田に声をかけられた。





彩「あぁ、山田か。今、悩みがあんねん。」

菜「悩み?どんなんやねん?」

彩「…もうすぐバレンタインやろ?あたし、実はある人にチョコ渡そうと思ってんねん。」

菜「へぇ〜。んで、誰なん?相手は?」

彩「…2年生の宮澤先輩にや。」

菜「へ!?あのモテガールの宮澤先輩!?」





あたしの言う悩みっつーのはバレンタインのことやった。



高校2年の宮澤先輩にチョコを渡そうと思っとるんやけど…





宮澤先輩は学校で有名なモテガールであり、宮澤先輩にチョコを渡す人はたくさんおると思うねん。



多分やけど、チョコを渡す人の数は殺人的な数やと思う。



しかも、あたしは人見知りをしてまうこともあって人前で堂々とチョコを渡す度胸もあらへん。



せやけど、このまま渡さず終わるのも嫌で…





そんなわけであたしは悩んでおった。





彩「あぁ、山田もよう知っとるあの宮澤先輩や。せやけど…あたし、渡す度胸ないねん。度胸はないんやけど…このまま終わらせるのも嫌やねん…」

菜「それは困りもんやなぁ…彩、意外と人見知りするしなぁ…うーん…」





山田はあたしと一緒に悩んでくれた。



やがて、山田が再び口を開いた。





菜「…しゃあないな。私、力貸すで。」

彩「え?それホンマか…?」

菜「私が宮澤先輩のこと人気のない所へ連れてったる。それなら少しは渡しやすいし話しやすいやろ?」

彩「あ…あぁ、せやな。」

菜「チョコはあまり値段が高くなくて小さめの食べやすい物がええと思うで。」





あたしは山田のアドバイスを参考に、バレンタインの日に宮澤先輩に絶対チョコを渡すと決意した。








〜佐江side〜





いよいよこの時が訪れたなぁ…





バレンタイン。



まぁもらえるのは嬉しいよ、チョコ。



1個ももらえなけりゃ悲しくなるしさ…





けど…





いくら何でもこれはチョコありすぎだろ!?





佐「えっと…これで50個目かぁ…」





佐江は色んな人たちからチョコをもらった。



食べきれないくらいの量を…





佐「ハァ…ママとかに協力してもらうしかないな…」





佐江は去年もチョコをもらいすぎて家族で協力して食べきったのである。





佐「後いくつ増えるんだかな…」





そんな悩みを抱えていたその時…





菜「…宮澤先輩、こんにちは。」





佐江は菜々ちゃんに声をかけられた。





佐「お〜、菜々ちゃん。どうしたの?」

菜「あの、ですね…時間空いていたらでええんで、今、私と一緒に来てもらえませんか?」

佐「うん、いいよ。すぐ行こう。」





佐江は菜々ちゃんの後を付いていくことにした。



しばらく後を付いていると、そこには…





佐「おぉ〜、さや姉じゃん。」





さや姉がいた。





菜「…彩、後は彩が頑張る時やで。…ほな、私はこれで失礼します。」





菜々ちゃんは佐江たちの元から去り、今ここにいるのは佐江とさや姉の2人だけになった。





彩「あ、あの!///」

佐「ん?どうした?さや姉?」

彩「あの…その…///迷惑なのは分かっとるんですけど…これ!///受け取ってもらえませんか?///」





さや姉はチョコを取り出した。



あまり大きくない食べやすそうなチョコだった。





佐「これを…佐江に?」

彩「は、はい///宮澤先輩の気持ちを考えて、少しでも食べやすそうなチョコを選んでみたつもりなんですけど…嫌なら、無理強いはしないどきます///」





佐江は色んな人たちからチョコをもらった。



だけど…





少しでも佐江のことを考えてチョコを用意してくれたのはさや姉が初めてだった。



佐江の出した答えは…





佐「…ありがとう♪佐江、こういうチョコを食べたかったんだ♪」

彩「え…じゃあ…!?」

佐「…ありがたくいただくよ♪」





佐江はさや姉からチョコを受け取った。





彩「あ、ありがとうございます!」





さや姉は感謝の気持ちを込めて佐江に精一杯のおじぎをした。





佐「…初めてだからね、佐江の気持ちを少しでも考えてチョコを渡してくれた人。」

彩「え?」

佐「あ、いやいや、こっちの話。」





さや姉、よかったら来年もよろしくね♪





〜fin〜

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