さえゆき小説

□ずーっと好きだよ♪
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私は柏木由紀。
秋葉原高校の生徒の1人で今は高校1年生。



その日の昼休み、


私は熱を出して保健室で休んでいた。


由紀(やっぱり今日は休んだ方が良かったかなぁ?)



実は朝から少し熱っぽかった。


けど、学校を休むほどじゃないって思ったんだけど…



1時間目が始まる前に気分が悪くなって、それからずっとここで横になっていた。


ごろんと寝返りを打ってみる。


気分が悪いだけで、眠気はあまりない。


由紀(今日は学校が終わったら佐江ちゃんとデートする予定だったのに…)



佐江ちゃんとは私と同じく秋葉原高校の生徒の1人で私と同じ高校1年生。

宮澤佐江といって名前が佐江だから私は佐江ちゃんと呼んでいる。


付き合うようになったきっかけは高校に入学して1週間、


帰ろうとしていた時私は熱を出していて立ってるのがやっとの状態だった。


そんな時、私の異変に気づいた佐江ちゃんが私を家まで送ってくれたのが始まりだった。



それから3週間後に私は佐江ちゃんに告白して、OKをもらえたんだ。

まあそういうわけで今に至るってわけ。


由紀(…よしっ。たくさん寝てしっかり治さなきゃ。)


あまり眠くなかったけど、無理やり目を閉じてみる。


そうすると、少しずつ眠くなってきて、それから…





私は夢を見ていた…





佐江ちゃんはいつもと同じように私の目の前にいる。



…でも、私の事を見ていない。


由紀「…佐江ちゃん?」


怖くなって私は佐江ちゃんの事を呼んでみる。


佐「…」

由紀「佐江ちゃんってば!」


いくら呼んでも反応してくれない。

それどころか…


由紀「…えっ?佐江ちゃん、待ってよ!」


佐江ちゃんは、そのまま何も言わずどこかへ行ってしまおうとする。


私はそんな佐江ちゃんを必死で追いかけようとするけど…


由紀「きゃあ!」


途中私は転んでしまい、その間にも佐江ちゃんは私からどんどん遠ざかっていく。


由紀「あっ、待って!」


転んでケガをしてしまったせいか、


どれだけ走ろうとしても、


一歩も動けない。


そんな間に佐江ちゃんは1人で向こうへ行ってしまう。


由紀「お願い…待って!ねえ、佐江ちゃんってば…!置いていかないで…ねえ、佐江ちゃん…」



私が何度呼んでも佐江ちゃんには届かない。


そのまま、佐江ちゃんはどんどん遠ざかっていって…


由紀「やだ、やだっ!行かないで…佐江ちゃん!」


消えていく背中に向かって大声で必死に叫んでいた。


由紀「佐江ちゃん!!!」


私は佐江ちゃんの名前を叫びながら体を起こし、


夢から覚めていた。


誰かに手を握られている事に気づいた。


由紀「…佐江ちゃん?」

佐「うん、そうだよ。」


そこにはいつもの佐江ちゃんがいた。


佐「りんちゃん大丈夫?相当うなされてたけど…」

由紀「…うん。私は大丈夫。本当に佐江ちゃんだ〜。」


さっきのは夢だったんだと改めて知って、私はすごく安心した。


佐「汗…すごいよ?」

由紀「え?本当に?」


自分でおでこを触ってみたら、汗をびっしょりとかいていた。


由紀「…そういえば、私の様子を見に来てくれたの?」

佐「うん。これ、佐江のノート。コピーしてきたからさ。」

由紀「ありがとう。迷惑かけてごめんね…。」

佐「何言ってんだって。コピーしてきただけだから大したことじゃないよ。それにりんちゃんの為ならこれくらいのことは当然だよ!」


私がお礼を言うと、元気いっぱいの笑顔を向けてくれる。



ああ、


いつもの佐江ちゃんだ。



でも、


それと同時に少し不安になる。


さっきの嫌な夢を思い出して…


佐「喉乾いてない?飲み物買ってくるよ!」



そう言って佐江ちゃんが私の手を離した途端、不安は更にひどくなった。



由紀「ここにいて…」

佐「…どったの?」

由紀「飲み物はいいから…ここにいて。」

佐「…うん、分かった。」



そう言って佐江ちゃんは私の方へ戻って来てくれて…



由紀「え…?///」



ぎゅっと、私を抱きしめてくれた。



由紀「佐、佐江ちゃん…!?///えと…///その…///恥ずかしいよ///」

佐「…佐江は、どこにも行かないから。」

由紀「え…///」

佐「りんちゃんの寝言…聞いたんだ。…でも、夢とは違うから。佐江は、どこへも行かないから。…ずっと、りんちゃんと一緒だから。」


その言葉に私は泣きそうになった。


私の口からもれたただの寝言…


それをこんなにも心配してくれるなんて…


由紀「…変なこと言っちゃってごめんね///」

佐「気にしないで。むしろ、嬉しかったよ。こんなに…りんちゃんに必要とされて。りんちゃんと、付き合えるようになって良かった。」

由紀「佐江ちゃん…。」

佐「…あ、そろそろ次の授業が始まるから、行かなきゃ。」

由紀「ありがとう、佐江ちゃん。」

佐「りんちゃんの体調がもう少し良くなったら、家まで送ってあげるよ。」

由紀「え!?そんな、悪いよ!」

佐「今さら遠慮する必要ないって!佐江とりんちゃんの仲っしょ♪」

由紀「…うん、ありがとう!お願い♪」



しばらくして私は佐江ちゃんに家まで送ってもらった。


苦しくてあんまりお話できなかったけど、


佐江ちゃんは嫌な顔をするどころか、


いつもの笑顔を向けてくれてた。



そして、


家に着いた私は、佐江ちゃんに顔を近づけ、


佐江ちゃんの耳元で今一番伝えたいことを囁いた。


由紀「佐江ちゃん。」

佐「…な、何?///」

由紀「ずーっと好きだよ♪」



佐江ちゃんの顔、


赤くなってて可愛かったなぁ♪



fin
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