ゆいぱる小説
□旅立ちのとき(ゆいぱる)
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〜ぱるるside〜
由依(うち…ぱるるとは別の大学に行くことにしたんや…)
私、島崎遥香は秋葉原高校3年生。
私は卒業式から1週間前の出来事を思い出していた…
由依「ぱるる、ちょっと話したいことあんねん…」
ぱ「話したいこと?」
今思えば、あの時の由依の表情暗かったな…
由依「うち…ぱるるとは別の大学に行くことにしたんや…」
ぱ「え…?な、何言ってるの…?だって、私と同じ大学で受験して受かったじゃん…!?」
由依「あぁ…せやけどうち、実はぱるるに内緒でもう1校受験受けてたんや。そしたら…そこも受かってな、そっちの大学に行くことにしたんや…」
ぱ「そんな…!?じゃあどうして私と同じ大学も受験したの!?」
由依「もしもの時のための保険用としてや…せやけど、うちが本当に行きたかった所が受かったから、うちはそっちの大学に行くことに決めたんや…」
ぱ「嘘…でしょ…」
ショックだった…
由依とは高校で出会って、由依と一緒に過ごすようになって、それからいつの間にか付き合うようになった。
由依とは気付かない内に一緒にいることが当たり前になっていたから離れ離れになるって現実を受け入れられずにいた…
それからショックで私はあまり由依と話さなくなり、そんな状態で卒業式を迎えた…
〜ゆいはんside〜
正直、うちはあの時落ちとればよかったのにと思うていた。
ぱるると同じ大学で落ちとればと…
そうすればうちは何も気にせず別の大学に行こうと思えた…
ぱるるに今後のうちの進路を話したらぱるるは相当ショックを受けておった…
それからうちは今日、卒業式の日を迎えるまであまり話せんくなって…
というより、接し方が分からなくなってもうていた…
せやけど…
このまま何もせんで終わってもうてええんか…?
うちはこの1週間、ぱるると過ごした日々を振り返っていた。
振り返ってみて出したうちの答えは…
由依「…なぁぱるる。ちょっと…校門までええか…?」
ぱるるに今のうちの気持ちを伝えることやった。
改めてぱるるのことが好きやと伝える。
それが悩んだ上で出したうちの答えやった。
うちは今、卒業式を終えた後、ぱるるに話しかけとる最中やった。
ぱ「え?うん…?」
うちはぱるると一緒に校門に向かい、校門の前に着いた。
由依「いきなり、ごめんな。呼び出してもうて。」
ぱ「うん、いいけど…どうしたの…?」
由依「…うちの進路のことで、色々とごめんな。うちはぱるるのことを落ち込ませてもうた。せやけど…うちはもう決めたんや。後悔、したくないねん。将来のために…」
ぱ「うん…」
由依「せやけど、最後に…うちの勝手な話を聞いてくれへんか?」
ぱ「うん…」
本当はもっとぱるると話をしていたい。
せやけど、あまり長話をするのもなんやし、うちは1番伝えたいことだけ伝えることにした。
由依「ぱるる、これからは、学校違うしあまり会えないけどうちは、ずっとぱるるのこと好きやで!」
離れ離れになってもぱるるのことがずっと好き。
それがうちが1番伝えたいことやった。
うちは無理くり笑顔を作りながら話を続けた。
由依「最後まで、勝手でごめんな。」
そう言い残し、うちはその場を去ろうとした。
そんな時やった…
ギュッ。
由依「え…?」
うちは後ろからぱるるに抱きつかれてもうた。
ぱ「本当に最後まで勝手だよ!勝手に私とは別の道に進むことを決めて、勝手にここまで呼び出して、言いたいこと言った後は私の前からいなくなろうとするし…!少しは、私の気持ちも考えてよ…ヒック…!」
うちは何も言えへんかった…
ぱるるを泣かせてもうたんやから…
ぱ「でも…私、由依のこれからのこと、ずっと応援してる。当たり前でしょ…?好きな人のこと、応援し続けるのって。」
由依「え…?」
ぱるる…
今、何て言うたん…?
応援しとるって…?
ぱ「私も由依のことずっと好き。」
好きと言うてくれた後、ぱるるはうちの正面に回り込み…
由依「…!?」
顔を赤く染めながらうちの唇にキスをしてきおった。
ぱ「途中で投げ出したりしたら…許さないから!///」
ぱるるは怒っとるんやけど、うちにとってはちっとも迫力なんて感じられへんかった。
怒っとると言うより…
自分の気持ちをうちに伝えることができて良かったような感じに見えたから。
由依「許さへんか…ははっ♪これは絶対やり通さなアカンくなったな♪」
うちはぱるるの手を握り…
由依「…もうちょっとだけ、わがまま言うてええかな?うちらが離れ離れになるまで、傍におってな♪」
ぱ「…うん♪」
こうしてうちはぱるるとは違う道を歩み始めるまでぱるるとの思い出作りに努め…
由依「ほな、行ってくるで!」
ぱ「うん、行ってらっしゃい♪」
うちは新たな道へと旅立った。
〜fin〜