ゆきれな小説

□旅立ちのとき(ゆきれな)
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ゆきれな小説短編『憧れのあの人は生徒会長』シリーズ、恐らく最終章です。





〜ゆきりんside〜





私、柏木由紀は秋葉原高校3学年。





元生徒会長で、今は私の彼女の玲奈ちゃんが後を継いでいる。





卒業式が終わった後、私はある場所で思い出を振り返っていた。





由紀「今日で生徒会室とお別れかぁ…」





そう、玲奈ちゃんと出会ったこの生徒会室で思い出を振り返っていた。



玲奈ちゃんとは去年、後期の生徒会のメンバーが決まった後に出会った。



珠理奈や由依ちゃんともここで会ったんだっけな。



私が生徒会長に選ばれた時、私はとても不安な気持ちに襲われた。



けど、珠理奈の明るさや由依ちゃんの頑張りっぷり。



そして、玲奈ちゃんの優しさに私は支えられてきた。



生徒会長としての自分に慣れてきた頃だったかな?



いつの間にか私は玲奈ちゃんに惹かれていた。



玲奈ちゃんの存在が私の中で誰よりも大きくなっていた。



そして、玲奈ちゃんが生徒会長として学校生活を過ごすことになったその日に、玲奈ちゃんの気持ちが私と同じであることを知った。



それを機に、私たちはCPとして付き合うことを決めた。





思い出すなぁ…





私のためにクリスマスパーティーを開いてくれたり、バレンタインにチョコ作ろうとしてくれたり…





バレンタインチョコをいただいてから聞いたんだけど、クリスマスパーティーのために料理をしてくれたのは珠理奈だけで、玲奈ちゃんは飾り付けに集中してたみたい。



私と一緒で、玲奈ちゃんは料理ができない。



そんな玲奈ちゃんがバレンタイン用としてチョコを作ろうとしてくれた。





だけど、満足のいく結果を出せなくて…



それを私に見られちゃって…



悔しかったんだよね?



申し訳ない気持ちになったんだよね?





それなのに、私のために頑張ろうとしてくれて、嬉しかったなぁ。





玲奈ちゃんと一緒に色んな思い出を作り…



そして、ついに私は高校を卒業する時が来たのだ。





由紀「今まで、ありがとう。」





色んな意味を込めて、ありがとうと呟いた。



それから私は生徒会室を出ようとした。



すると…





ガラララ。





玲「柏木先輩、ここにいたんですね。」





玲奈ちゃんがドアを開けて中に入ってきた。





由紀「あ、玲奈ちゃん♪…ひょっとして、探した?」

玲「ええ、まぁ…まずは卒業おめでとうございます。」





おめでとうと言いながら玲奈ちゃんは私に向けてお辞儀をしてくれた。





由紀「ありがとう♪まぁ嬉しい気持ちと一緒に寂しい気持ちもあるってのが正直なとこなんだけどね♪」

玲「そうですね、私も、一緒です…」

由紀「それで、一体どうしたの…?」

玲「…色々と、お話をしたいなと思ったんです。思い出を語りたいと言いますか…。」

由紀「そうだね♪玲奈ちゃんとの思い出作りは、ここから始まったんだなぁ…」





それから私は玲奈ちゃんと一緒に出会ってから今日までのことを話し始めた。





玲「始めのうちは、柏木先輩があまりに美人すぎて、まともに目を見れませんでした…///」

由紀「ふふ♪あの時の玲奈ちゃん可愛かったな♪あ、もちろん今でもね♪昔の玲奈ちゃんにはない可愛さも加わったっていうか…」





と言っても、さっきまで私が思い出していたことのお話になるけどね♪





由紀「バレンタインの時、玲奈ちゃんが料理できないって知った時はちょっと驚いたな。」

玲「あの時は、色んな不安が混じっちゃって泣いちゃいましたね、私///もう、さすがに終わったなって…でも、そんな私にも柏木先輩は優しくしてくれました。」

由紀「当たり前でしょ♪あの時は本当に嬉しかったんだから♪玲奈ちゃんが私のために頑張ってくれて♪」





そして私たちは今日までの出来事の振り返りを終えた。





由紀「本当に色々あったな♪うん、楽しかった♪」

玲「私も、柏木先輩と過ごした日々はどれも素晴らしいものでした♪」





そんな時…





プルルル。



携帯の着信が鳴った。



私のではない。



となると…





玲「ちょっと失礼します。…珠理奈、ついに準備整ったんだね。」





電話は珠理奈からみたいで玲奈ちゃんは何かを呟いた後、電話に出た。





玲「もしもし、珠理奈?…終わったんだね?ありがとう…うん、今から柏木先輩を屋上に連れて行くね。…今一緒。じゃあ、ありがと。」





玲奈ちゃんは珠理奈との電話を終え、携帯をポケットの中にしまった。





玲「…柏木先輩、今から私と一緒に来てください。」

由紀「うん、分かった。行こう。」





玲奈ちゃんは私の手を掴み、私は玲奈ちゃんと一緒に屋上へ向かうことにした。








〜玲奈side〜





私は今、柏木先輩と一緒に屋上に向かっている最中だった。



ある方法で私の想いを伝えるために。



そのある方法とやらの準備は珠理奈とはんさんの2人にお願いをした。





少しして、私と柏木先輩は屋上に着いた。





由紀「玲奈ちゃん、どうしたの?」

玲「…伝えたいことがあるんです。本当はもっとあるんですけど、簡潔に一言だけ。」

由紀「うん…」

玲「…ここから、校庭の方を見てください。」





私は柏木先輩に屋上から校庭の方を見てほしいと言った。



そこに、私が伝えたい言葉があるから。



珠理奈とはんさんにお願いして書いてもらった言葉が。





由紀「いつまでも、好き…?」





『いつまでも好き』





それが柏木先輩に伝えたい言葉だった。





玲「柏木先輩、例え離れ離れになっても、柏木先輩に対しての私の想いはこれからも変わりません。いつまでも、好きだから。」

由紀「…ぐすっ…!」





私の気持ちが嬉しかったのか、柏木先輩は泣き出した。





由紀「ありがとう…!私、心優しい玲奈ちゃんに会えて本当に良かった…!玲奈ちゃんの優しさに私は何度も支えられて…!」





目尻から涙を流した柏木先輩はハンカチを取り出し、涙を拭き取り始めた。





玲「…ハンカチよりもっといいの、ありますよ。」

由紀「え…?」





そう言った後、私は柏木先輩の顔を胸の中に埋めた。



柏木先輩が私にしてくれたみたいに。





それにしても、さっきの『…ハンカチよりもっといいの、ありますよ。』って台詞、ちょっとキザっぽい部分がある気がして私らしくなかったかな?





玲「今日は、柏木先輩が私に甘える番です。」

由紀「ありがとう…」





それからしばらくの間、柏木先輩は私の胸の中で嬉し泣きをしていた。





しばらくして、柏木先輩は落ち着きを取り戻した。





由紀「ありがとう♪ちょっと、恥ずかしかったけど…///」

玲「恥ずかしがる必要なんてないじゃないですか。私は、嬉しかったです。柏木先輩に甘えられて。」

由紀「そ、そう…?///…あ♪だったら、もうちょっと甘えてもいい?」

玲「はい…?何でしょう…?」





柏木先輩の顔がニヤリとした瞬間、私はなぜか嫌な予感がした。





由紀「…私が卒業した記念に、玲奈ちゃんのこと、美味しくいただいちゃってもいい?」

玲「…いいですよ///」

由紀「よ〜し!そうと決まったら早く一緒に帰ろう♪玲奈ちゃん♪」

玲「えっ!?あ、はい///」





私は柏木先輩に手を掴まれ、柏木先輩に手を引っ張られながら走り出した。





由紀「卒業してからもよろしくね♪玲奈ちゃん♪」

玲「はい♪」





これからもよろしくお願いします♪





私の憧れの柏木先輩♪





〜fin〜

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