ちんぱる小説

□きっかけは雨
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ザァー…





ぱ「ヒック…!」





私、島崎遥香は秋葉原小学1年生。



私は今、雨が降っている中、傘もささず1人で泣きながらお家へ帰っていた。



今日、学校に着くまでは雨が降る気配なんてこれっぽっちも感じられなかったのに、数時間後には雨がいつの間にか強く降っていた…



しかも今日という日に限って傘を持ってきてなくて、帰る時も雨はまるで止むことを知らないというくらい強く降り続いていた…



それで雨が止むまで雨宿りしたかったんだけど今日に限って学校の方で何か用事があるということで雨が止むまで雨宿りすることができず、スクールバスを利用しようにも…





「このバスはこの地区を走るから、君の住んでる地区には行けないんだ。」





私の住んでいる地区へと向かってくれないため、バスに乗って帰ることもできなかった…



それで仕方なく雨に打たれながら帰ることになり、今に至る…





ぱ「ヒック…!うっ…!うぅっ…!」





今の天気のように、私の心の中もどしゃ降りで、体も心も芯まで冷えきっていて…



悲しさのあまり、私の瞳から涙が止まることはない…



そんな時…



ガララ。





友「ねぇ…大丈夫…?」





すぐ近くの店の中から女の子(って言っても私から見て少し年上な感じの女の子)が出てきた。





友「傘…忘れてきちゃったの…?」

ぱ「うん…」

友「そうなんだ…あっ、そうだ♪中入ってって♪」





私は女の子に手を掴まれ、店の中に入ることになった。



えっと…



『相葉商店』…?



…何て読むの?





友「ねぇおじちゃん!すぐにタオルと傘持ってきて!この子傘忘れてきちゃったみたいでびしょ濡れなの!」

相葉「えっ!?う、うん!すぐ持ってくるね!」





それからそのお店の人…



おじちゃんがすぐにタオルと傘を持ってきてくれて、私はタオルでおじちゃんに頭や体を拭いてもらった。





相葉「随分体冷えちゃってるね…これじゃあ風邪引いてもおかしくないね…よしっ♪すぐにお風呂沸かすから待っててね♪それと服も古いのしかないけど着替えはあるからお嬢ちゃんにあげるね♪」

ぱ「えっ?はい…ありがとうございます…」

友「おじちゃん、そこまでしちゃうの?」

相葉「うん♪おじちゃん思いきってそこまでしちゃうぞ♪何だったらお菓子も好きなの1個あげちゃうぞ♪」





数分後、私はおじちゃんのお言葉に甘えてお風呂を済ませ、用意してもらった服に着替えることにした。





相葉「そういえばお嬢ちゃん、名前は何て言うの…?」

ぱ「…島崎、遥香…。」

相葉「そっか〜♪遥香ちゃんって言うのか〜♪」

友「私は板野友美♪小学3年生だよ♪君は、何年生かな…?」

ぱ「…1年生。」

友「じゃあ友より2コ下なんだね♪じゃあ、お家はどこかな…?」





私はお姉ちゃんとおじちゃんの質問に1つ1つ答えることにした。



数分後…





相葉「友美ちゃん、いいのかい…?何だったら僕の方で…」

友「友は大丈夫♪おじちゃんは、ちゃんと店番してなきゃだめでしょ♪この子は、友がちゃんとお家まで送ってくね♪」

相葉「そっか♪2人とも、気をつけて帰るんだよ♪」

友「は〜い♪」





何と、私はお姉ちゃんにお家まで送ってもらうことになったのである。



この時の私は思ってもいなかったんだ。



雨がきっかけで…





友「ぱるちゃん♪一緒に帰ろう♪」

ぱ「はい♪」





高校生になってから板野さんと本格的にお付き合いすることになったことを。



昔と違い、心の中はいつでも快晴です♪





〜fin〜
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