ヴァンガ長編(性的表現有)

□現に一添えの想い3
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人は守るものが、できた瞬間に強くなれる。
アイチもまた同じ、守れるのは自分しかいないと知った時・・・−−−強くなった。


「・・ぁ・・・は・・・・・・ぁ・・・」
声が上手く出せない、昨日は酷いセックスだった、もはや乱暴に等しい。
幸いにも身体の汚れは拭いてくれたらしいが肌がヒリヒリして、着ているワンピースが肌に触れるだけで痛い。

(昨日・・そうだ・・僕・・)
また男達にレイプされそうなったところに櫂が来てくれたのに、櫂は助けてくれなかった。
それどころか、肌を力いっぱい赤くなるまで洗い、その後中まで玩具と櫂に翻弄されて喘ぎ声を上げながら
許してほしい、ごめんなさいとひたすらに謝ったが櫂の動きは止まらず、アイチを身体の隅々まで犯しつくした。

「ふぇ・・・・」
涙が、また溢れてきた。
もう捨てられてしまう、そうでなくてももうまともに抱いてくれないだろう。

あのメイドの口から、男達に一度回されて犯されたと知ったら時の櫂の怒りは考えたくもなく
今回のように肌が赤くなるまで、洗われるどころか、何をされるかわからない。

それでも死刑執行まで、罪人はこの牢獄のような部屋で待つしかない。
窓も扉も鍵をかけられてアイチは完全に監禁された、ドアの前には執事が待機しており、時折中の様子を伺う。

自害防止のためだろうか、しかしこの部屋には刃物もなく、自ら命を絶てない。

起き上がることもできないアイチに、サイドテーブをベットのつけて、食事が出された。
今のアイチには優しい御粥だ、しかし食べる気がしない。

「召し上がりくださいませ、アイチ様」
顔も見たこともないメイドにアイチ様と言われて、機械的に業務をこなすとメイドは出て行った。
アイチの泣き腫れた酷い顔に、赤くなった肌に対して心配する素振りすらも見せない主人に忠実なメイドだが彼女を見たことがない。

女がアイチに対する嫌がらせがバレて、見て見ぬフリをした者や加担した者を一斉に首切りでもしたのだろう。

蓋も空けず、ただ食事を見下ろすアイチ。
これが最後の食事になるだろう、きっとアイチは櫂に人の味を覚えたドラゴンにでも食い殺されて処分されるのだと
目を閉じ、蓋を開けて胃に優しい香りを吸った瞬間に吐き気が込み上げてくる。

「くっ・・・・!!」
痛みを忘れ、ベットから降りるとバスルームへと入る。
洗面所の蛇口を全開にし、吐いた物が水と共に流れるが大したものは胃から出てこなかったが
どうして匂いを掻いただけで、あんな吐き気が・・・・・・。




真っ青になっている自分の顔が鏡に映った。
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