ヴァンガ長編2
□漆黒の魔帝3
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シンが地区大会の予選の申込みの入った手紙をポストに入れ、まるで神社でお祈りをするように手を合わせて。
「どうかどうか・・・ミサキ達が優勝できますように」
祈るなら、神社の方がまだ御利益がありそうだった。
赤いポストに祈るシンの姿は、通りがかる人には変質者一歩手前に見えている。
カードキャピタルのウィンドウには「第三位!!おめでとう!」と大きく印刷された紙があり
大会効果かわからないが、お客さんが若干増えたような気がするとか(ミサキ談)
「ちーす」
「こんにちは」
アイチとナオキが、入ってくると同時に何かがナオキの頭に命中。
ゴム付きの矢である、「なっ・・なんだ、こりゃ??」と、ゴムが思ったよりも接着力があり、引き離すのに結構痛かった。
「悪質な悪戯だね、・・・手紙が括り付けてあるよ」
「なんだ・・『青い髪の女へ次ぐ、カムイちゃんと預かった。返してほしくばカードショップ男前に来い ナギサより』・・・知り合いか?」
聞い事もないと、アイチは首を横に振る。
しかし、名前に聞き覚えのあるエイジとレイジがショップに来るなり、アイチに助けを求めて飛びついてきた。
「アイチさーーん!!カムイさんをっ・・助けてください!!」
「SOSッスーー!!」
半べそで、鼻水まで流していつも携帯しているポケットティッシュを渡して拭いてあげた。
エミにハンカチ・ティッシュを持つのは常識と、教えてこまれている今時珍しい種のアイチである。
「実はっ・・チームのために少しでもカムイさんも強くなろうって・・男前というショップに行ったのですがっ・・」
そこで運悪く、アイチの映った写真を見られて追及されて、アイチ達のことを言ってしまったとか。
ゴウキというのはショップの店長の息子で、かなり強いファイターに拉致されたとか。
「強いファイター・・・・戦いてぇっ!!よしっ、行こうぜアイチ!」
「えっ・・でも。僕は・・」
もっと詳しくエイジ達から話を聞いてからでもと、もしくわ三和達も一緒に行くべきかとも考えたのに
ずるずるとナオキとレイジ達に背中を押され、アイチは外へ出ていく。
「・・・アタシがついていくべきだったかも・・・・」
シンはヴァンガード初心者教室の真っ最中で、店番を猫の店長代理を任せられないが
暴走コンビなナオキとカムイに、アイチが止められるか非常に不安である。