アイドルのお世話始めました
□心得 その2
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人生ってわからないもんだな。
諦めようと思ったら、芸能人に助けてもらうことになるなんて。
もう二度とない、貴重な体験だ。
でも、助けてくれた人があの、嵐の人だなんて。
こんなことバレたらタダじゃ済まない。
早くここから出て行かなくては。
女の影がプンプンしてることは誰にも言わないので、安心してください。
まぁ、話す相手もいないけど。
二宮さんがシャワーを浴びてるうちに洗濯が終わることをひたすらに願う。
ドアの前で、終了の合図がするのを待ってみるけど。
願いも虚しく。
───ガンっ
「痛っ。」
「え?何してんの?こんなとこで。」
洗濯が終わるより先に、二宮さんがお風呂から上がってきてしまった。
早くないですか?
「ずっとここにいたの?せっかく温まったのに冷えちゃうでしょ?」
「ここにいれば、洗濯が終わったのわかるかなぁと思いまして…。」
「終わったところで、俺が風呂入ってるのに取りに来るの?」
そう言われてみれば…。
「ハダカ見たいとか?金取るよ?」
「ち、違います!」
私の反応に満足そうに笑うと。
「まだ終わってないみたいだし、せっかくだからお話しようよ。」
そう言って、ペタペタとリビングらしき方へ歩いて行った。