禁断のdispareネックレス

□運命に沿って
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 "今日はね、新しい先生が来るんだって。あのネックレスのご主人様だよ"





 「……すごい高額の給料じゃないか。家庭教師しただけじゃ、普通こんな値段にはならないと思うんだが……」
雅家のお屋敷に住む高校二年生の千鶴という子に勉強を教えるだけ。…お屋敷か。金持ちで無駄に明るくて広い部屋にすんだわがまま坊主の姿が日向の頭に浮かんだ。……まあ金のためだ。生きるために金は必要だ。やむおえない。
 しかし気になるのは契約書の内容だ。一年間教師を続けること。絶対に休まずやめないこと。生徒に感情移入してはやまった行動を起こさないこと。
 これでは猛獣の檻の中に入るみたいな契約書ではないか。こんな高給料のバイト、誰がやめるんだよ。それとも生徒が余りにもくせ者なのか?いや、金持ちって大体みんなくせ者だろ。心配ない。金さえ入れば文句はない。
 早速日向は電話をかけた。すると今日の夕方から働くように言われてしまったではないか。……随分と急だな。
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