Something
□気まずい空間
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名無し『わ、私は…知らないよ…』
ユノはずっと私を見ていてその視線が痛くてそらしたけど、彼はずっと見たままだった。
ユノ『そう。なら、わからないか。何で泣いてたんだか。』
名無し『……。』
ユノ『さ、呑もう。俺も久しく呑んでなかったから今日は楽しく呑みたいんだ。』
ユノはこれでもかっていうくらいにお酒を頼んだ。話題は最初仕事のことだったけど、酔ううちに友達や趣味になって少し恋愛にまで及んだ。
ユノ『好きってさ、簡単な言葉だよな。俺にはセリフみたいに聞こえるんだよ。』
ユノが寂しい表情でお酒を見つめた。たったそれだけだったけど、彼の抱えている苦しみに思えた。
名無し『ちょっとお手洗いに…』
部屋を出た私はあの日のユノを思い出していた。完璧な人は居ない。でも、あなたの苦しみが溶けると良いなと思った。ユノが考えていることが全く別にあることを知らずに
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