Something
□キスマーク
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携帯を置こうとしたら今度はユノからの着信だ。通話ボタンを押せば不機嫌な声がしてきた。
ユノ『名無しは連絡も出来ないのか?』
名無し『ごめんね、今まで寝ていた。』
ユノ『そっか。』
ユノはいつもの調子だ。私が謝れば話し方が穏やかになる。
名無し『次回はちゃんと連絡するから。』
ユノ『潰れるまで呑むなよ』
名無し『そうだね…』
ユノ『昨日見たことも言うなよ。』
名無し『わかっているよ。』
しゃべりながら鏡の前に行くと赤い印が鎖骨下部にあった。
名無し『あ…』
ユノ『なんだよ、今の声は?』
名無し『別に。こっちの話。』
チャンミンが電話の向こうで『ヒョーン、この女どーするの?』と日本語で言っているのが聞こえる。私は2人には日本語が出来ると言ってない。だからだろう。ユノは『いらない』と低い声で返した後に私に声を戻して言った。
ユノ『俺も支度しなきゃならないから、また後で。』
電話を切ってシャワーを浴びる。ピリッと痛い皮膚。チャンミンのイタズラ。当分鎖骨が見えない服を着るしかない。私は事務所に向かった。
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