LUCE

□衝撃
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今日はバーテンダーに言われた日。
つまり3日後の24時。
俺達はライブハウスの前にいた。
今日は来たがっていたうっさんと啓司も連れて来たのだが、啓司のテンションがおかしい。
相当嬉しいのか、今日一日中ソワソワしていてメンバーも苦笑いしていた。




US「啓司凄い興奮してますね」

HR「あぁ。スキップしてたからな。」



ここに来る途中。
鼻歌交じりにスキップしていたのを俺は見逃さなかった。




US「はははっ!面白いわー。啓司!
にしても、マキと哲也も来ればよかったのに…」



確かに。
マキと哲也も誘ったが、2人とも外せない用事があったようで、来られなかった。スゲー残念がってたな。




KJ「あー!HIROさんUSAさん早く入りましょうよ!」



ライブハウスのドアに手をかけ此方を見る啓司。
犬の耳と尻尾が見えるのは俺だけじゃないだろう。




HR「わかったから落ち着けって」



そんな啓司の頭に手を置き、俺は店のドアを開けた。
ガンガンかかる音楽は前と同じ。
だが、この前来た時と何かが違う気がした。




US「なんか、この前来た時と雰囲気が違いますね。」




うっさんもそう思ったのか店の中に入るとキョロキョロとあたりを見渡していた。




KJ「ライト、まだ来てないみたいですね。」



啓司が少しがっかりしたように言った。



HR「もう少しでくるだろ」



俺はあのバーテンダーのいるカウンターに向かった。
そこにはやはり赤いヘアバンドをしたバーテンダーがいて、俺らの顔を見て手をあげていた。




「よぉ!お前達来たか!」




前と変わらないニッとした笑いを浮かべて、言うバーテンダー。



HR「おぅ。教えてくれてありがとな。」

「はははッ。いいって!」



お!新入りもいるな! なんて啓司を見ながら言うバーテンダー。
啓司も軽く頭を下げて挨拶していた。



US「バーテンダーの兄さん。ライトは来るんすか?」

「敬語じゃなくていいよ。
それに俺の名前は千って言うんだ。
あ、お前らの名前は言わなくていいぜ。わかるから」



そう言って笑う千。
やっぱりバレてたか。



「ライトなら、もうすぐ来ると思うぜ。
まぁ、来たら嫌でも分かるから、安心しな」


KJ「ライトが来たらマジで凄いもんな!!」


お!兄ちゃんライト見たことあんの? と千が啓司に聞いている。


HR「千。今日は前と少し雰囲気が違うんだが…」

「よく分かったな!ライトが来る時は結構大物も多いんだ。
お前達みたいな芸能人もいると思うぜ。」




成る程ね。
それでいつもより空気に緊張感があるのか。



「お!DJが変わるな」



千がそう言うと、先程までかかっていた音楽が変わった。
もっとノリのいい身体が動き出しそうな音楽。
それにつられてか、店全体の空気も一層張り詰めた。
何故か胸がドキドキする。




US「あのDJめちゃくちゃ上手い」

KJ「俺が来た時も、あのDJの人がやってましたね」

「あいつが出て来るのはライトが来る時だけ。
つまり、あいつが出て来たってことはライトが来るってことだ。」



周りを見てみろよ。 と千が言った。
見てみると、ステージで先程まで踊っていたダンサーがいなくて皆ザワザワと落ち着きがない。








と、その時。





ガチャリとドアが開き、誰かが入ってきた。
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