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□雨宿り
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「ひやぁ〜!!」


突然の悲鳴である。
だが、高校生にもなった男の声なのだから普通の人間は聞いても苛立ちしか感じないだろう。


「降って来ター!!」


降水率が90%と今朝のニュースで確認しておきながら、
家の玄関を通るときには忘れていたのだ。
通常なら女の子たちの誰かの傘に入れてもらったり、
男友達に混ぜてもらうこともある。


今日は違った。
しないんじゃない。
できないんだ。


「なんで皆ホームルーム終わっても俺を起こしてくれないんだよぉ!!
つーか、親友だと思っていた龍汰にもおいてかれたし。
あいつは明日、なすびのチョコソース掛けを口がパンパンになるまで食わしてやらぁ」


一人でげた箱の周辺の雨に濡れないところで呟いて、
正確には叫んでいる。


「君、こんなところでなにしてるの?
 傘は?」

学校の教師が来た。

あれだけの大声を出して騒いでいる上、
ホームルームが終わってからだいぶと時間がたっているので生徒のほとんどが学校をでている。


「えぇっと、傘がなくってですね・・・・・・
 まだマシになるまでここで待っていようかなって」


先生は不満があるようだ。


「君、お金は?」


鞄の中から財布をだして、中のお金を数える。


「88円です」


「そんなんじゃ傘も買えないな。
 閉門時間が迫っているんだよ、帰ってくれないと・・・」

あ、そういえばこの先生みたことある。
噂話もよく聞く。
内容は・・・・・・


「早く目の前から消えてくれないと、止まれないよ」


急に壁際に追いやられ壁に背を任せる状況になる。


いわゆる"壁ドン"である。


「は?あぁ?!ちょっと!!」


抵抗しようにも自分が非力故に抵抗にもなっていない。
相手は大の大人だ、女子と同じ扱いを受けている。
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