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□ありがとう〜千聡視点〜
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「いつも、ありがとう」
彼は昔から天邪鬼で、シャイで……
素直に目を合わせていうと
すぐにどこかに行ってしまうから、
さりげなく言うことしかできない。
我慢や自重でなんとか自分を抑えている。
だが、それ以上にもそれ以下にも
もう雁字搦めで動けない状態だ。
一線を越えてしまえば、
彼を自分の腕の中に抱き抱いてしまえば……
きっと楽になれるのだろう。
だけど、
彼には幸せな笑顔でいてほしい。
そんなふうに笑っている彼を支えていたい。
大切にしていたい。