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□急変
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本日の学校の授業も無事に終了し、
本屋に寄り道をしてからの帰宅。
いつもと変わらない日だった。
はずなのだった・・・
「ただいま〜。」
玄関に入り、靴を脱いで揃え消臭スプレーをかけてリビングへ。
年頃の男の子だ、ニオイにも敏感になる。
「ハヤト、おかえり。」
「ハヤトくん、おかえり〜♪」
珍しく両親が揃っている。
父親が日本人で、母親がハーフ。
そして、その子供であるハヤトはクオーターとなる。
今日は客人も居たようで、向かいの席に誰かが座っているが、
ここはあえて、スルーしようと思った。
「俺、部屋に行くわ。んじゃ。」
まぁまぁ、と母親が抱きついてくる。
そして、強制的に客人の隣の空いてる場所に座らされてしまう。
母親にも、もちろん父親にも逆らえない。
むしろ、逆らったことなどいままで片手で数えるくらいしかしたことがないのだ。
「おかえり、お邪魔してるよ。」
隣で微笑む客人の笑顔が無性に腹が立って仕方がない。