ゆきなみだ

□始まりの刻
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今思い返せば『彼』と過ごした数ヵ月間はまるで夢のようだった。

形あるものはほとんど残っていないけれど、『彼』への想いと思い出は私の中に確かに残っている。

私は春の暖かい陽射しが差し込む公園のベンチから立ち上がると、近く
にあった桜の木を眺めた。

風に揺れて桜の花弁が雪のように舞い散る。

『彼』と出逢ったのもこんな風に桜が舞い散る頃だった……。

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