嵐山隊

□イヤよイヤよも…
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「鶴さん、こんにちは」
「…イケメンめ…何故ここに来た…」
「いや、これからあなたの隊と合同で模擬戦やるって約束で…」
「いや、私は知らない。そんな話聞いてない」
「いや、でも太刀川さんとちゃんと話合って決めて」
「あーあーあー私知らないホントに知らないてか認めな」
「うるさいぞ、鶴」

模擬戦ブースに言ってすぐに鶴さんがいたからあいさつをすれば、にらまれた。
まぁ、いつものことなのだが…
わぁわぁと騒ぐ鶴さんにすかさず、太刀川さんがチョップをした。

「いったぁ!ちょっと太刀川君!か弱い乙女に何をする!あと、嵐山隊とか聞いてないし!」
「うるさい、何がか弱いだ。この前の任務で住宅5.6件破壊しただろ」
「いいじゃん!放棄地帯なんだし!あと7件ね!」
「しるか。それに、嵐山隊のこともちゃんと伝えた」
「嘘だ!私聞いてな」
「鶴さん寝起きだったじゃん」

俺たちとの模擬戦をまだ認めていない鶴さんに、出水が説明した。
というか、そこまで俺のこと嫌いですか、鶴さん。

「ちょっと!なんでよりによって寝起きなの!?私寝起きは頭働かないって知ってるでしょ!?」

ぎゃあぎゃあと騒ぎ出した鶴さんに、他の隊員も呆れていた。
それに気づいた太刀川さんが、鶴さんをほっといて模擬戦の準備にかかった。

「もう太刀川君なんなの!ほんと腹立つ!出水君もなんか言ってやってよ!」
「いやぁ、無理っす。残念」
「くっそぅ…ちょっとそこのイケメン君!」
「はい?」
「嵐山准のことよ!」

イケメン君と言われ、佐鳥が返事をしたが違ったようで、ぴしゃりと指摘された。
というか、なんでフルネーム…。
ほんとに嫌われてるな、俺。

「なんですか?」
「この模擬戦で君のことぐっちょぐちょにしてその顔崩壊させてやるから!覚悟しなさい!!」

木虎が鼻で笑ったが、そんなこと気にしてないようで、既に太刀川さんの後ろで寝起きに説明したことを怒っていた。
しかし、あの人はほんと見てて飽きないな。

「てか、鶴さん嵐山さんのこと好きすぎっしょ。マジわかりやすい」
「え!そうなの、出水先輩!!」

まだ残っていた出水が笑いながらそういえば、佐鳥が声をあげて驚いていた。
俺も、かなりびっくりしている。

「だって、あの人嫌いな人に敵対心とか出さないし、興味ないやつなんて見向きもしないし」
「確かに!」

俺とか!と納得している佐鳥。
そういえば、俺には色々言ってくるが、佐鳥や木虎には何も言わない。
というか、見てないみたいだ。

「いやー、嵐山さんも大変だな〜。あの人に好かれたらめんどくさいよ?」

そう言って出水は自分の隊長のところへ走って行った。
出水はめんどくさいと言っていたが、実は俺も鶴さんのことは訓練生のころから好意を抱いていたのだ。
そんなことを言われて、嫌がる必要なんて無い。

「はは、これはこの模擬戦でかっこいいところ見せなきゃな」
「え、もしかして嵐山さん…」
「今日太刀川さん落としたら告白しよう!」

今日の意気込みを佐鳥たちに発表すれば、みんなから驚きの声があがった。
そんなに驚くことないだろ。失礼だな。
今日はいつもより調子がよくなりそうだ。



イヤよイヤよも好きのうちってね。



-----おまけ-----
「鶴さん!」
「…イケメンめ」
「今日は太刀川さん落とせなかったから諦めますが、いつか、あなたに告白できるよう精進しますよ!」
「……はぁ!?」
「ははは」
「なんなのあいつ。はははじゃないよっ」

告白するとか言ってる時点でもうカミングアウトしてんじゃん。
 

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