政宗×幸村

□一万回の口付け
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足を綺麗にされた後。

「身体、大事にしろよ」

そう囁かれて、傷口に口付けを落とされた。

「ま、政宗殿!?」

幸村は慌てて周囲を見渡す。
生徒は他に誰も居なかった。
一人幸村があたふたしている間も、政宗は足先、足の甲、足首と場所を変えながら何度もキスをしていた。
柔らかい口付けに、幸村の体が跳ねる。

「やっ、止めてくだされ…」
「Ah?何でだよ?」
「学校ですから…」

すると政宗は膝にチュとキスをして、ニヤッと意地悪そうな笑みを返す。
幸村はその笑みにドキッとした。
こんな風に政宗が笑うときは、あまりいい考えていないときだ。

「学校じゃなかったらいいんだな」
「え?」
「放課後。俺の家に来いよ」

続きはそこで。
そう言われたのに気づき、幸村は目を見開いて、顔を真っ赤にした。

「覚悟しろよ。足だけじゃねぇ。腕にも顔にも胸にも…アソコにも。嫌って程、一万回くらいキスしてやる」

露骨な言葉に幸村はもう何も言えない。
ただただ政宗を見つめるだけだ。

「じゃあな、Honey.See you again」

政宗はそう言って教室に戻っていった。

「…政宗殿の、馬鹿」

悪態をついて、俯く幸村。
それでも、こんなに胸が満たされるのは。
きっと自分もされたいから。
政宗のキスは甘美で優しい。

「…政宗殿」

一万回もキスされたら、自分はどうなってしまうんだろう。
考えて、また顔を赤くして。
暫く幸村はそこから動くことが出来なかった。





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