政宗×幸村

□秘密基地から溢れた秘密事
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湯を頭から被り、乱暴に水気をきってから湯船につかる。
幸村も後からゆっくり中に入ってきた。
顔を直視出来ない。
重たい沈黙が続いたが、幸村がそれを破った。

「…まさむね殿」
「…何だ?」
「…ゆきむらは何かしましたか?」

沈んだ声に顔を上げれば、向かい合う幸村は今にも泣きそうだった。
自制できない己への苛立ちだったのだが、幸村は自分に対して怒っているのだと勘違いしてしまったようだ。

「違う。幸村は悪くない」
「でも…まさむね殿おこってるでござる」
「……俺に腹がたってたんだ」

優しく語りかける。
本当はここで頭を撫でたりすればよいのだが、今は幸村に触れる度胸がない。
幸村は政宗にゆっくり近付いた。

「幸村…駄目だ、来るな」
「………何で?」

大きな瞳から珠のような涙がポロポロ溢れ頬を伝う。
泣かせたいんじゃない。
大事にしたいのに…。

躊躇ってから腕を伸ばし、政宗は幸村を抱き寄せ、優しく抱き締めた。
腕の中で嘔咽し肩を揺らす幸村。
湯の温かさとは違う温もりを肌に感じる。
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